こちらは、5月21日に、秩父鉄道の広瀬川原車両基地で行われたわくわく鉄道フェスタ2016で撮影した、6000系6003F(元西武鉄道新101系の233Fから改造された急行秩父路号用の車両)の小豆色のリバイバル塗装で、12系客車(パレオエクスプレスの客車)と共に休憩用として開放されていました。
秩父鉄道6000系は、今から10年前の2006(平成18)年3月15日に、デビューした急行用車両で、西武鉄道新101系のうちの229,231,233F(秩父鉄道乗り入れ対応車)の3編成から改造されています。
2ドアクロスシート化と共に、当時行われていた西武鉄道の10000系特急(レッドアロー)のリニューアル化によって不要となった座席が使われるようになっているけど、伊豆急行(静岡県の東伊豆海岸を走る東急グループの鉄道会社)に譲渡された元東急電鉄の8000系の海側座席とは異なり、リクライニングが可能となっています。
2006年11月25日まで活躍していた3000系(元JR165系から改造された車両)は、種車と同様にボックスシート車で、デッキにより仕切られていました。
3000系の置き換え用として元西武新101系から改造された6000系が選ばれた理由は、2ドアクロスシート車の3両編成に改造しやすかったことに加え、西武時代に秩父鉄道に乗り入れていたことにより秩父鉄道のATS装置をそのまま使うことが出来るからであります。
ちょうど、2005(平成17)年に導入された西武20000系の最終増備車である20108Fと20158Fの導入によって捻出されていたというタイミングもあったし。
改造工事は、6001Fが広瀬川原車両基地、6002Fと6003Fが武蔵丘車両検修場で行われ、回送は西武秩父駅付近を通っていました。
この6003Fの羽生寄りの先頭車であるデハ6003号車は、モハ234号車にクハ1234号車の前頭部が接合されたものであります。
急行秩父路号は、羽生、熊谷~影森、三峰口間の運転であり、途中停車駅は、行田市、熊谷、武川、寄居、野上、長瀞、皆野、秩父、御花畑、影森であり、平日は全て朝と夜の羽生、熊谷~影森間での運転となっています。
急行料金は200円であり、ロングシート車で代行運転される時でも急行料金を取られるので注意が必要であります。
長野電鉄の特急の場合は、特急料金が100円掛かるけど、ロングシート車で代走の時は特急料金が不要となるし。
急行秩父路号がワンマン運転となったのは、2007(平成19)年3月6日のことで、かつて存在していた長野電鉄の2000系による特急と同様に料金が必要であるのにも関わらずワンマン運転となっています。
西武線の車両と東急線の車両の組み合わせは、2013(平成25)年3月16日の東急東横線・みなとみらい線との直通運転開始の時から日常的に見られるようになっているけど、秩父鉄道ではそれ以前から元西武車と元東急車の出会いのシーンが見られています。
秩父鉄道の急行秩父路号は、1992(平成4)年10月25日まで、300形という2枚窓のオリジナル車両が活躍していたけど、6003Fは、その小豆色時代の塗装が復元されているし。
小豆色の塗装は、2012(平成24)年5月まで活躍していた1000系(元国鉄→JR101系)の1002Fにリバイバルされていた塗装であり、三峰口駅構内にある秩父鉄道車両公園で静態保存されている100形と同じ塗装であります。
先代の急行秩父路号の3000系は、急行用でありながら、秩父鉄道初の冷房車でありました。
1000系(元国鉄→JR101系)は、当初は非冷房車だったけど、1994(平成6)年から1997(平成9)年に掛けて埼玉県からの補助金により先頭車冷房化され、中間車は非冷房車のままでありました。
1000系のさよなら運転が行われていたのは、一昨年3月23日のことであり、国電リバイバルカラーで一番人気があった2代目オレンジバーミリオン塗装の1003Fが最後まで残されていました。
こちらは1985(昭和60)年まで中央快速線で活躍していた101系を彷彿とさせる塗装であり、さいたま市にある鉄道博物館で保存されている101系試作車にも語り継がれています。
現在東武鉄道東上線と共に地下鉄副都心線を介して相互乗り入れをしている西武と東急の関係は、以前の小田急グループと西武グループによる箱根山戦争により犬猿の仲となっていました。
現在は小田急と西武は仲が良いので、阪急阪神ホールディングスの傘下に入る前の阪急電鉄と阪神電気鉄道と同様に、昨日の敵は今日の友ならぬ、昔の敵は今の友の状態であります。
こちらは小田急グループの箱根登山鉄道(神奈川県)と西武グループの伊豆箱根鉄道(神奈川県、静岡県、いずっぱこ)の歴史にも関連しているし。
このことで、昨年3月29日に加入し、今年4月に卒業した元ステーション♪のほののんこと安田帆花氏とかなちゃこと山下花奈氏のほのかなコンビのことを思い出しました。
前者のほののんは箱根登山鉄道が、後者のかなちゃは伊豆箱根鉄道が好きな鉄道会社だと言っていたのでそのはずであるし。
伊豆箱根鉄道駿豆線(静岡県)には、親会社の西武鉄道で活躍していた新101系から改造された1300系(3両2編成)があるけど、三島寄りのMc車は先頭車化改造ではなく、2連から転用されています。
西武グループの鉄道会社は、西武鉄道、伊豆箱根鉄道、近江鉄道(滋賀県)の3社であり、近江鉄道にも元西武の車両があります。
流鉄(千葉県)や三岐鉄道三岐線(三重県)は、西武グループではないけど、元西武の車両に統一されているし。
秩父鉄道の7000系列車両(元東急車)は、東急テクノシステムの手によって改造されています。
東急8090系→7500系の先頭車のMc化の時には、電装品が移し替えられていたし。
7500系のパンタグラフは、東急時代のシングルアームから菱形に戻されたけど、増設されて2ヶ所となっています。
秩父鉄道わくわく鉄道フェスタでは、熊谷、御花畑→広瀬川原間と、広瀬川原→羽生、影森間で直通臨時列車(熊谷方面は2往復、寄居・秩父方面は1往復)が運転されていたけど、普段急行列車に使われている6003Fも臨時列車に使われていたので、急行料金なしで乗れたのが貴重でした。