昨日(6月28日)は、JR新宿駅の4番線で、東京臨海高速鉄道(TWR)りんかい線の70-000形のZ3編成(70-030F)によるりんかい線開業20周年記念のラッピング電車による大宮行きを撮影しました。
東京臨海高速鉄道りんかい線が、臨海副都心線として開業したのは、1996(平成8)年3月30日のことで、当初は、幻となった旧国鉄京葉貨物線から転用された、新木場~東京テレポート間の路線でありました。
70-000形は、JR東日本の209系ベースで製造された車両で、全て川崎重工業製となっています。
開業当初に導入された編成は、70-010,020,030,040F(020,030Fは初代)による4両編成で、1999(平成11)年には、増発用として70-050F(現在の2代目70-030Fの一部)が増備されていました。
開業当時は、臨海副都心エリアの町開きが行われていたけど、当初は、新木場からのアクセスの悪さが仇となり、前年11月1日に開業した新交通ゆりかもめに人気が集中し、臨海副都心線(現、りんかい線)がガラガラとなっていたし。
臨海副都心線が、りんかい線となったのは、2000(平成12)年9月1日のことであります。
やはりりんかい線のほうが読みやすいし、2008(平成20)年6月14日に開業した東京メトロ副都心線と混同する恐れがあったので、変更されたのもそのはずであります。
自分(しゃもじ)的には、臨海副都心の名称はダサいと思っているので使わないようにしているし。
翌年の2001(平成13)年3月31日には、天王洲アイルまで延長され、東臨運輸区(八潮車両基地、東京貨物ターミナル付近)が使用開始されていました。
この時には70-060F(当初からLED表示でJR線乗り入れに対応)が4両編成として増備され、東京モノレールとの乗り継ぎにより羽田空港へも行けるようになっていたし。
それ以前は、東京テレポート駅の未開業部分が留置線として使用され、検査時には、京葉線を通り、京葉電車区(現、京葉車両センター)まで回送されていました。
2002(平成14)年12月1日に、りんかい線の天王洲アイル~大崎間が開業し、JR埼京線、川越線経由で川越までの直通運転が開始され、JR205系が新木場まで、りんかい線の70-000形が川越まで乗り入れるようになっています。
当時の埼京線は、205系が当たり前だったので、209系ベースの70-000形が来た時は新鮮でした。
この時に増備された車両は、70-070,080,090,100Fの10両フル編成(JR線乗り入れ対応車)で、TWRロゴにりんかい線の表示が追加されています。
同時に70-060Fが10両化され、初期型の70-010~050Fが、りんかい線内(新木場~大崎間)専用車として、6両化されていました。
当時は、ベースとなった本家JR209系の製造が打ち切られ、E231系へと移行していたけど、仕様統一の関係などの問題により、209系ベースの仕様が踏襲されていたし。
6両編成で使われていた頃、6両の表示があったことを覚えています。
70-000形の定期検査は、JR東日本の東京総合車両センター(旧、大井工場)に委託されているので、全線開業前は、京葉線~外房線~総武線~中央線~山手貨物線経由の迂回ルートで回送されていました。
2004(平成16)年10月16日(湘南新宿ラインが南北直通列車に統一された日)には、10両編成に統一され、6両編成で残されていた5編成のうちの3編成(70-010,040,050編成)が10両化されて70-040Fが2代目70-020F、70-050Fが2代目70-030Fとなり、4号車と7号車の部分(付随車)が新製されていました。
余剰となった初代70-020Fの4両(先頭車と、6両化の時に増結された中間車)と、初代70-030Fの先頭車が、JR東日本に売却され、209系3100番台として八高・川越線(川越~高麗川~八王子間)に転用されていました。
これらの編成は、りんかい線時代の最後まで、前面が方向幕のままとなっていたし。
209系3100番台のうち、ハエ71編成(クハ209-3101F)は、初代70-020Fの先頭車に、JRによって導入された中間車を組み合わせたものであり、209系として最後に製造された車両であります。
こちらは川越駅で、70-000形と出会うこともあるし。
りんかい線の70-000形が全て10両編成となった理由は、混雑に対応出来ないからだけではなく、輸送障害が発生した時の運用のやりくりをしやすくする為であります。
やはり湘南新宿ラインが南北直通に統一されていたのでそのはずであるし。
埼京線の205系は、2013(平成25)年から2014(平成26)年に掛けてE233系7000番台に置き換えられていたけど、現在でもハエ28編成(クハ205-107F)だけが残されています。
東京臨海高速鉄道りんかい線の路線
新木場~東雲(しののめ)~国際展示場(東京ビッグサイト前)~東京テレポート(フジテレビ前・お台場メディアージュ前)~天王洲アイル(寺田倉庫本社前)~品川シーサイド(ビッグローブ本社前)~大井町~大崎→(JR埼京線・川越線経由、川越まで直通運転)
乗換駅
新木場 JR京葉線、東京メトロ有楽町線
国際展示場 新交通ゆりかもめ(有明駅)
東京テレポート 新交通ゆりかもめ(お台場海浜公園駅または青海駅)
天王洲アイル 東京モノレール羽田空港線
大井町 JR京浜東北線、東急大井町線
大崎 JR(埼京線(川越まで直通運転あり)、山手線、湘南新宿ライン(東海道線⇔高崎線・横須賀線⇔宇都宮線)
地下にある駅、国際展示場、東京テレポート、天王洲アイル、品川シーサイド、大井町の各駅
新木場~品川埠頭分岐部信号場(八潮車両基地への分岐点)間は、京葉貨物線として建設されていた区間であり、品川埠頭分岐部信号場~天王洲アイル~大崎間は、新たに作られた地下トンネル区間であります。
りんかい線の大井町駅は、上下2層式の駅となっており、上の1番線が、大崎、埼京線方面、下の2番線が、東京テレポート、新木場方面であります。
埼京線とりんかい線の大崎駅は、西側の5~8番線であり、埼京線及びりんかい線が大崎まで延長されるまでの間、湘南新宿ラインが通過となっていました。
昨年12月に大崎駅西口に出来た西口バスターミナルには、WILLER(ウィラー)グループの高速バスのほか、東急バスの渋41系統(渋谷駅西口~大崎駅西口間)も乗り入れています。
品川シーサイドは、楽天の本社のあった場所であり、楽天本社の二子玉川への移転により、ビッグローブ本社前となったのであります。
ビッグローブ(BIGLOBE)は、インターネットサービスプロバイダーの会社であり、かつてNECの系列となっていました。
天王洲アイルは、日本の大手航空会社であるJAL(日本航空、ワンワールド系列)の本社がある場所であり、その本社ビルは、名称がJALビルから野村不動産天王洲ビルに変わっています。
一方のANA(全日本空輸、スターアライアンス系列)の本社は、汐留シティセンターにあるし。
東京テレポート駅は、現在のフジテレビ前であり、発車メロディーが踊る大捜査線のテーマ曲となっています。
1997(平成9)年に、フジテレビの本社、スタジオが新宿区河田町(東京女子医大の近く)からお台場に移転されるまでの間は、都営新宿線の曙橋駅がフジテレビ前となっていました。
周辺にある都営大江戸線の若松河田駅は、フジテレビがお台場に移転された後に開業していたので、フジテレビへの最寄り駅にならなかったし。
1990(平成2)年にちびまる子ちゃんのテレビ放送が開始され、ちびまる子ちゃんブームが起きた時は、河田町スタジオの時代でした。
フジテレビのお台場への移転により、お台場の知名度が更に上がり、イベントも盛んに行われるようになっています。
東京ビッグサイト(東京国際展示場)が、晴海(東京国際見本市会場)からの移転により開業したのは、1996(平成8)年4月1日のことであり、今年でりんかい線と共に20周年を迎えていました。
晴海の時代は、バスに頼っていたけど、ビッグサイトとなってからは、バスに加え、鉄道(りんかい線とゆりかもめ)、水上バスでもアクセス出来るようになっています。
りんかい線開業20周年ラッピング電車は、70-030Fと70-070Fの2編成に施されており、明日(6月30日)まで運転される予定となっています。