続いては、11月26日に、 幕張車両センター(千マリ)で行われた、マリフェス2016で展示されていた、E257系500番台のNB13編成(BOSO EXPRESS、クハE257-513F)で、昨年3月13日に廃止された特急あやめ号(BOSO EXPRESS あやめ)の表示で展示されていました。
側面のロゴマークは、房総(boso)のbと、幕張新都心がイメージされたマークとなっています。
E257系500番台は、2004(平成16)年に、183系や189系の置き換え用として、NB01~10編成が導入され、10月16日に、外房線のわかしお号と、内房線のさざなみ号でデビューし、これらの列車の183系や189系が一気に置き換えられていました。
こちらは、183系や189系と同様のグリーン車なしのモノクラス編成であり、普段は5両編成で、通勤時間帯には5+5の10両編成(重連)としても使えるというコンセプトが話題となっていました。
500番台の前面スタイルが、中央線特急のあずさ・かいじ号の0番台(9両基本編成)の3号車(クハE257-100番台)に準じた貫通型に統一されているのは10両運転時に通り抜けが出来るようにする為であるし。
翌年の2005(平成17)年12月10日には、NB11~19編成が導入されたことにより、しおさい号とあやめ号にも進出し、JR東日本の183系や189系が、房総地区はもちろんのこと、全ての定期の特急運用から撤退していました。
この時には、房総地区の特急が、長野新幹線(現、北陸新幹線)あさま号と共に全車禁煙化されていたので、初期の10編成が一部喫煙車仕様だったのに対し、後期の9編成が全車禁煙仕様で導入されていました。
後期の9編成が、ダイヤ改正前のフライングでの営業運転に入らずに、改正後に一斉に営業運転に入っていたのはその為であったし。
東北・山形・秋田・上越の各新幹線を含めたJR東日本の特急列車が全車禁煙化されたのは、2007(平成19)年3月18日)のことであり、前述のあずさ・かいじ号も禁煙化されていました。
北陸新幹線の開業で話題になっていた昨年3月14日の改正では、あやめ号の定期運用の廃止、さざなみ号の大幅な削減、E257系による成東~銚子間、日中の勝浦~安房鴨川間での普通列車扱いの廃止等で残念な出来事がありました。
これにより、後期に導入された本数と同じ9編成が余剰となっていたけど、2編成はホームライナー千葉用、他の7編成は波動用として活用されています。
あやめ号が登場したのは、しおさい号と同じ1975(昭和50)年3月10日(山陽新幹線が博多まで延長された時)であり、当初はしおさい号と同様のL特急で、グリーン車付きの9両編成で、4往復ありました。
同時期には、急行鹿島号が2往復(うち1往復は臨時列車)も新設されていたし。
1982(昭和57)年11月15日には、急行鹿島号の格上げにより5往復となり、両国、新宿発着も加わっていました。
1985(昭和60)年3月14日には、佐原~鹿島神宮間での普通列車への格下げにより183系の6両編成(グリーン車なし)へ。
編成短縮によって余剰となった183系のグリーン車は、東海道線や横須賀・総武快速線の113系のグリーン車に転用されていたけど、1998(平成10)年まで存在していた300番台のサロ110-304~311号車と1300番台のサロ110-1301~1305号車(サロ183-1,5,8,14,15,16,17,1002,1003,1006,1007,1009号車から改造された)が該当し、ひょうきんサロとも呼ばれていました。
こちらはトイレや洗面所のあった場所に乗車口やデッキが増設されていたし。
113系のグリーン車のうち、183系のほか、急行型車両(153系、165系)、特急型車両(181系、485系、489系)からの転用車も存在していました。
1988(昭和63)年3月13日には、両国発着が廃止され、1993(平成5)年7月2日には、2往復削減されて3往復となり、新宿発着も廃止されていました。
あやめ号が廃止された分は、113系による快速となり、逗子、東京~佐倉間で成田空港発着の快速エアポート成田号に連結されるようになっていたし。
その翌年の1994(平成6)年12月3日には、さらに2往復が快速への格下げにより廃止され、あやめ号が1往復のみとなり、L特急から特急に変更されていました。
2004年10月16日には、すいごう号とホームタウン成田号があやめ号に変更されたことにより、佐原、成田線経由銚子、成田発着も加わり、翌年の2005年12月10日には、E257系500番台に全て置き換えられていました。
E257系化により、東京発成田線経由銚子行きが1本増発され、佐倉まで成東行きのしおさい15号と併結運転が行われるようになったことで、E257系500番台の本領が発揮されていたし。
2010(平成22)年12月4日には、ホームタウン成田号から受け継がれていた東京22時発のあやめ5号(成田行き)が廃止され、E217系による通勤快速に置き換えられていました。
昨年3月14日には、あやめ号の定期運用が廃止され、E257系500番台によって運転されていた、しおさい・あやめ号、ホームライナー/おはようライナー逗子号(東京~逗子間)も廃止されていました。
逗子ライナーは、東海道線の湘南ライナーと同様に、横浜駅を通過していたし。
あやめ祭り期間中(5月下旬から6月中旬)の土休日に、新宿~鹿島神宮間で、臨時特急あやめ祭り号(事実上の臨時あやめ号)が運転されているけど、「特急あやめ祭り」の表示である為にあやめの図柄入りのBOSO EXPRESSあやめの表示はもう見られない状態となっています。
このイベントでは、あやめ号の定期運用が廃止されて以来初めてあやめの表示を見ることが出来たし。
現在E257系500番台が使われている定期運用列車は、茂原発京葉線東京行きの2号を除いたわかしお号(東京~京葉線、外房線経由~勝浦、安房鴨川間、19号のみ平日のみ運転)、さざなみ号(東京~京葉線、内房線経由~君津間、平日の通勤時間帯のみ運転)、しおさい号(佐倉→総武線経由→東京間、平日朝の4号のみ)であり、そのうちのわかしお3,5,11,15,17,19,21,23,4,6,12,16,18,20,22,24号(うち、5,17,16,18,24号は1~5号車が上総一ノ宮駅で分割・併合)、さざなみ4号、しおさい4号が5+5の10両編成となります。
わかしお号のうち、17号(上総一ノ宮から5両)と、19号(全区間10両)は、現在でも勝浦→安房鴨川間で普通列車扱いとなっているので、この区間で利用客が少ないということが分かります。
特急型車両による普通列車は、快適であるけど、乗降に時間が掛かるという問題があるので、削減されたのもそのはずであるし。
昨年3月にさざなみ号の館山までの定期運用が廃止され、土休日を中心にE257系によって運転される新宿さざなみ号(新宿~館山間)などの臨時列車しか運転されなくなってしまったことは、やはり1997(平成9)年12月18日に東京湾アクアラインが出来たことや、東京~館山間の高速バスである房総なの花号(JRバス関東と日東交通(房総地区のバス会社)による運行)に押されたことだけでなく、1991(平成3)年3月に成田エクスプレスへのシフトにより総武線経由から京葉線経由となり、東京駅のホームが離れてしまったことによる影響もあります。
房総地区の夏ダイヤのほうも、1998(平成10)年を最後に行われなくなってしまったし。
2007年7月4日に館山自動車道路(京葉道路とも直結している)が全線開通し、富津館山道路とも結ばれてからはさざなみ号の利用客が更に減少してしまったことも言うまでもないです。
東京~館山間のさざなみ号は、年末年始、GW、お盆やイベントのある時しか運転されなくなっています。
東京~銚子間のしおさい号にE257系が使われる時も年末年始、GW、お盆中心となってしまったし。
NB13編成は、2005年に東急車輛製造(現、総合車両製作所横浜事業所)製であり、同年12月10日に営業運転入りしていました。
マリフェスでの休憩用車両として使われていたNB11編成も同時期に東急車輛製造で製造されていたので、車内にオレンジ色の銘板があります。
今日(12月1日)は、E257系0番台があずさ号でデビューしてから15周年を迎えていました。
湘南新宿ラインも同じ日に15周年を迎えていたし。
ベースとなったE257系0番台は、2002(平成14)年度のブルーリボン賞受賞車であるので、1973(昭和48)年度に183系がブルーリボン賞を受賞していたという共通点があります。
現在E257系500番台は、余っているので、千葉を拠点とした臨時列車で、河口湖や川越などにも乗り入れていることで話題になっています。
12月23,24,25,30日と、1月7,8,9日には、E257系500番台が千葉~河口湖間の山梨富士3,4号で富士急行線に乗り入れることになるし。
このように、マリフェス2016で、E257系500番台による復刻あやめ号を撮影することが出来て良かったです。