今月4日は、ひたちなか海浜鉄道湊線の勝田駅で、国鉄気動車塗装のキハ205号車を撮影しました。
この時に勝田寄りに湊線開業100周年記念ヘッドマークが取り付けられていました。
キハ205号車は、1965(S40)年に、国鉄キハ20 522号車として、帝国車輌で製造され、1989(H元)年に水島臨海鉄道(岡山県)に譲渡されるまでの間、国鉄→JR西日本で活躍していました。
水島臨海鉄道では、トイレの撤去、冷房化(サブエンジン式)等の改造が行われた上で、キハ210号車として使われていたし。
1996(H8)年2月には、茨城交通湊線にキハ205号車として譲渡され、同年8月に朱色とクリーム色の国鉄気動車塗装に変更されていました。
この日は、日中にこのキハ205号車とキハ2004号車の2両によって運転され、那珂湊駅で交換が行われていました。
ひたちなか海浜鉄道は、茨城交通の経営難により、2008(H20)年4月1日に、鉄道部門(湊線)を新設分割(独立)させた上で設立された第三セクター会社(ひたちなか市と茨城交通による共同出資)であり、銚子電鉄と同様に、海沿いを走り、レトロな車両も走るローカル線として絶大な人気を誇っています。
茨城交通の時代には、基本的に旧型と新型(キハ3710形)が曜日に関係なく使われていたけど、ひたちなか海浜鉄道に移管されてからは、通常はキハ3710形または元三木鉄道のミキ300形を使い、イベントの時を中心に旧型車を使うという方針に変わっています。
このキハ205号車は、旧型車で唯一冷房付き(水島臨海鉄道時代に冷房改造されている)なので、それ以外の旧型気動車は、冷房シーズン以外に活躍しています。
昨年の8月11日と18日には、キハ205号車と非冷房車のキハ2005号車による湊線真夏の暑いレトロ列車が運転されていました。こちらは窓を全開にし、車内にある栓抜きを使って車内販売されたビン飲料で涼しさを味わうという試みとなっていたし。
土休日の車両運用の予定は、ひたちなか海浜鉄道のHPの週末列車のところで調べることが出来るので、それを見てから出向くようにしています。
茨城交通→ひたちなか海浜鉄道の勝田駅(1番ホーム)は、常磐線上りホーム(水戸、土浦、上野、小山方面,2番線)の水戸寄りにあり、ひたちなか海浜鉄道による中間改札業務が行われています。ここには、簡易Suicaタッチ機があり、その後に湊線の乗車券を買うことになります。土休日限定発売の一日券もここで売っているし。
銚子電鉄が日本一早い初日の出の名所となっているのに対し、ひたちなか海浜鉄道沿線では、二番目に早い初日の出の名所なので、今年1月1日には、旧型気動車3両編成(うち1両は座席指定制)による急行あじがうら号が運転されていました。
ひたちなか海浜鉄道では、今年10月1日に、中根~那珂湊間の国道245号線との交差地点(ひたちなか市田中後、中丸川橋梁付近)に、高田の鉄橋駅が新設される予定で、昨年12月15日に行われていた湊線100周年記念式典で発表されていました。
銚子電鉄との姉妹鉄道提携調印式もその後に行われていたし。
湊線が実際に開業100周年を迎えていたのは、昨年12月25日のクリスマスでした。
高田の鉄橋駅は、1962(S37)年4月1日の日工前駅以来の52年半ぶり(ひたちなか海浜鉄道に移管されてから初めて)の新駅設置となります。
このように、茨城交通時代に、廃線問題に揺れていた湊線が、ひたちなか海浜鉄道に移管された上で存続されたことで嬉しく思っています。