1月2日は、銚子電鉄の仲ノ町車庫を見学した時、伊予鉄道郊外線(普通鉄道)で活躍していた700系の713F(モハ713+クハ763号車、元をただせば京王5000系デハ5103+クハ5854号車)を撮影することが出来ました。
こちらは、昨年9月15日に伊予鉄カラーのまま銚子漁港に到着し、入線に当たって整備が行われています。
搬入作業は、笠上黒生駅構内ではなく、犬吠駅付近の太陽の里の駐車場で行われていたし。
伊予鉄道郊外線では、元京王井の頭線の3000系の導入により800系(元京王2010系)の全てと、700系(元京王5000系)の一部が置き換えられていたけど、そのうちの700系の713Fが、1001号車と1002号車(元営団地下鉄2000形)の置き換え用として銚子入りしていたのであり、今年春には営業運転入りすることになります。
伊予鉄道郊外線の路線
高浜線 高浜~松山市間
高浜~梅津寺(ばいしんじ)~港山~三津~山西~西衣山~衣山~古町~大手町~松山市
横河原線 松山市~横河原間
松山市~石手川公園~いよ立花~福音寺~北久米~久米~鷹ノ子~平井~梅本~牛渕団地前~牛渕~田窪~見奈良~愛大医学部南口~横河原
郡中線 松山市~郡中港間
松山市~土橋~土居田~余戸(ようご)~鎌田~岡田~古泉~松前(まさき)~地蔵町~新川~郡中~郡中港
以上の3路線から成っており、松山市駅は、松山市内線(路面電車)も乗り入れているターミナル駅となっています。
郡中港駅は、JR四国予讃線の伊予市駅の近くにあり、乗換駅となっているし。
JR松山駅前は、予讃線の松山駅への乗換電停であり、2013(平成25)年10月13日からは、JR四国の松山駅で、台湾台北市(台湾鉄路管理局縦貫線)の松山駅との姉妹駅提携が行われています。
台湾の松山駅は日本(愛媛県)とは違って地下駅となっているし。
伊予鉄道郊外線の電圧のほうは、高浜線が松山市内線と同じ600V、郡中線と横河原線が750Vとなっているので、松山市駅構内に異電圧直々セクションがあるのが特徴となっています。
これは、高浜線の古町駅と大手町駅で、松山市内線と平面交差している為であり、後者の大手町駅では、郊外線(普通鉄道)と松山市内線(路線電車)とのダイヤモンドクロス方式となっています。
このダイヤモンドクロス方式は、かつて阪急電鉄神戸線と今津線の西宮北口駅(兵庫県)でも見られていました。
伊予鉄道の松山市内線のルート
1号線(環状線外回り) 松山市駅前→南堀端→西堀端→大手町→JR松山駅前→宮田町→古町→萱町六丁目→本町六丁目→木屋町→高砂町→清水町→鉄炮町→赤十字病院前→平和通一丁目→上一万→警察署前→勝山町→大街道→県庁前→市役所前→南堀端→松山市駅前(時計回り)
2号線(環状線内回り) 1号線の逆ルート(反時計回り)
3号線 松山市駅前~南堀端~市役所前~県庁前~大街道~勝山町~警察署前~上一万~南町~道後公園~道後温泉
5号線 JR松山駅前~大手町~西堀端~南堀端~市役所前~県庁前~大街道~勝山町~警察署前~上一万~南町~道後公園~道後温泉
6号線 本町六丁目~本町五丁目~本町四丁目~本町三丁目~西堀端~南堀端~市役所前~県庁前~大街道~勝山町~警察署前~上一万~南町~道後公園~道後温泉
坊っちゃん列車は、故・夏目漱石氏によって描かれていた小説「坊っちゃん」に出てきたマッチ箱のような形の蒸気機関車を模したディーゼル機関車牽引による客車列車で、古町・JR松山駅前~道後温泉間と、松山市駅前~道後温泉間で運転されており、1列車毎の乗車整理券(古町、JR松山駅前、松山市駅前、大街道、道後温泉の各電停から乗車可能)が必要となります。
坊っちゃん列車が復活したのは、2001(平成13)年10月のことで、当時話題になっていました。
愛媛県松山市の道後温泉は、有馬温泉(兵庫県)、白浜温泉(和歌山県)と並ぶ日本三古湯であり、近代和風建築の道後温泉本館(共同温泉浴場)は、国の重要文化財に認定されています。
鉄道アイドルステーション♪の「ワンダー・ジャパン@ステーション♪」で、「坊っちゃん電車だ松山市駅」と歌われているけど、正式の名は電車ではなく坊っちゃん列車であります。
坊っちゃん列車が復活した2001(平成13)年は、ステーション♪の1推しであるほののんこと安田帆花氏が生まれた年でもあり、1月29日にほののんが15回目の誕生日を迎えることになるし。
伊予鉄道郊外線の700系のうち、初期に入ってきた編成(狭幅車)は、京王時代に2700系からの発生品による吊り掛けモーター車だったことで有名だけど、伊予鉄道入りした時に、東武鉄道2000系(1993(平成5)年8月まで存在していた初代地下鉄日比谷線直通用車両で、最後までセイジクリーム塗装だった車両)で使われていた台車(FS340)や電装品に交換されていました。
1995(平成7)年にアルナ工機(現、アルナ車両)で製造された610系(東武20000系もどきのオリジナル車両)も、東武2000系の台車が流用されています。
伊予鉄道の車両基地は、古町駅構内にあり、工場を含めて郊外線、松山市内線兼用となっているので、珍しいと思っています。
線路の幅は、1067mmで共通となっているし。
松山市内線の超低床式の新型車両(2100形)は、2002(平成14)年から2007(平成19)年に掛けてアルナ車両で10両製造された単車型の超低床式のLRT(リトルダンサータイプS)であるけど、定員が47人と、従来の50形や2000形(元京都市電)の80人と比べて少ないという欠点があります。
こちらは、東京の都電荒川線の車両で、7000形が定員96人であるのに対し、新型の8900形を含めた8500形以降の車両が定員60人台と少ないことと同じことであるし。
元京都市電の2000形は、2002号車から2006号車までの5両が譲り受けられ、対象から外された2001号車が京都の梅小路公園で静態保存されています。
京都の梅小路と言えば、今年4月29日に京都鉄道博物館が開設されることで話題になっているし。
伊予鉄道松山市内線沿線には、松山城があり、東雲口(しののめぐち、松山市内線大街道電停付近)から長者ヶ平(ちょうじゃがなる)まで、松山城ロープウェイと松山城山リフトで行くことが出来ます。
松山城の城山公園には、松山市民会館、NHK松山放送局、愛媛県美術館、県立図書館があるし。
銚子電鉄に移った後、2001F(旧822F)は京王グリーン、2002F(旧823F)は京王アイボリーを経て銚電レトロカラーとなったけど、元713Fの塗装がどうなるのか気になります。
元京王5000系は、伊予鉄道700系のほか、富士急行(山梨県,1000形・1200形)、一畑電車(島根県、2100系・5000系)、高松琴平電気鉄道(香川県、1100形)、わたらせ渓谷鐵道(群馬県・栃木県、わ99-5020・5070号車)として譲渡されているけど、今後は銚子電鉄も加わることになるので楽しみにしています。
京王5000系の初期型は、狭幅なので、銚子電鉄でも問題なく使うことが出来ます。
当初は京王3000系の中間車改造車が銚子電鉄に導入されるはずだったけど、600Vへの降圧化や先頭車改造などの大掛かりな改造が必要でありコストが掛かるということで中止され、600V対応改造され、2両編成としても使える元伊予鉄道の800系(元をただせば京王2010系)に振り替えられていました。
3000系のほうは広幅車体であった為に銚子電鉄で支障する恐れがあるという問題もあったし。
元京王井の頭線の3000系のうち、1962(昭和37)年に導入された3701Fと3702F(5両のうちの4両が狭幅の片開きドア車だった)は、今から20年前の1996(平成8)年に引退した後に、先頭車が北陸鉄道浅野川線(石川県)に8800形として譲渡されたけど、東京で嫌われものだった狭幅の片開きスタイルが、北陸鉄道(金沢)に似合っていると思います。
銚子電鉄の2000形は、関東から四国に渡り、関東に戻ってきた車両だけど、元713Fもこうなります。
このように、銚子電鉄の仲ノ町車庫で、整備中の元713Fを撮影することが出来て良かったです。