続いては、3月26日に東京駅の新幹線ホーム(20番線)で撮影したE6系Z14編成による秋田新幹線のこまち31号(秋田行き)です。
こまち31号は、東京駅の20番線を18時20分に発車し、上野、大宮、仙台、盛岡、雫石、田沢湖、角館、大曲の各駅に停車してから秋田へと向かう列車であり、東京→盛岡間で、E5系による新青森行きのはやぶさ31号(この日はU30編成が使われていた)と連結されています。
秋田新幹線の路線、停車駅(東京発着の定期列車)
東京~(上野)~大宮~仙台~盛岡~(雫石)~(田沢湖)~(角館)~大曲~秋田
カッコ内は一部の列車のみ停車
大曲駅では、車両の向きが変わり、大曲~秋田間では、秋田行きは11号車、東京・仙台行きは17号車が先頭となります。
東京、仙台~盛岡間では、E5系またはH5系はやぶさ号との併結運転が行われ、盛岡駅で分割・併合のシーンを見ることが出来ます。
盛岡駅は、秋田行きが14番線、秋田からの仙台、東京行きが11番線からの発車となるけど、このことに対し、福島駅での山形新幹線つばさ号及びE2系による併結列車のやまびこ号(仙台やまびこ)が、上り(東京方面)を含めて14番線に限定されているので注意が必要となります。
盛岡~大曲間は田沢湖線で、単線区間となっているので、1996(平成8)年3月30日から翌年の1997(平成9)年3月21日までの改軌工事の時には運休となり、北上~横手~秋田間で北上線経由の特急秋田リレー号がキハ110系(特急仕様の座席だった)によって運転されていました。
こちらは、期間限定でありながら、JR東日本で唯一のディーゼル特急となっていたし。
秋田リレー号の運転が終了した後に飯山線に転用され、一部が眺望列車ふるさとや、おいこっと号に改造されています。
奥羽本線の大曲~秋田間は、複線だった区間であり、狭軌の列車も通る為に、これまでの上り線側(山側)のみが標準軌に改軌された、単線並列区間となっています。
そのうちの神宮寺~峰吉川間は、秋田新幹線同士の行き違いを可能とする為に、これまでの下り線部分(海側)が北海道新幹線の青函トンネル区間などと同様の三線軌条となっているし。
羽後境駅と和田駅には、新幹線の交換設備があるので、こちらでも交換が出来ます。
秋田新幹線が開業したのは、1997(平成9)年3月22日のことで、当初はR1~R16編成の5両編成(うち2両が自由席となっていた)でした。
当時の併結列車には、200系K編成(10両編成)またはE2系J編成(275Km/h運転対応で、当時は8両編成だった)が使われていたけど、200系は240Km/hまでしか出せなかった為にスピードアップのネックとなっていました。
200系との併結列車のうち、仙台駅で分割・併合が行われ、E3系側が仙台~秋田間で5両編成の単独運転(仙台~盛岡間は275Km/h運転)、200系側が仙台~盛岡間での10両編成の単独運転(仙台~盛岡間は各駅に停車)という列車もありました。
翌年の1998(平成10)年10月26日からはR17編成の導入により6両編成での運転が開始され、他の編成も同年12月8日の改正までに6両化されていました。
秋田新幹線が早いペースで6両化されたことは、大好評であることの証でもあるし。
この改正でE2系との併結列車(275Km/h運転)が増え、翌年の1999(平成11)年12月4日の改正(山形新幹線が新庄まで延長された時)では、E2系との併結運転に統一されていました。
2002(平成14)年12月1日の東北新幹線の八戸延長の時には、E2系J編成が10両化の上で、速達やまびこ号が全席指定のはやて号となり、秋田新幹線こまち号も全席指定化されていました。
同時に羽後境駅での行き違い設備の新設及びE3系の増備により、こまち号の増発も行われていたし。
2013(平成25)年3月16日には、E6系が導入され、東京~盛岡間でのE5系はやぶさ号との併合による300Km/h運転となっていたことにより、従来のE3系(一部E6系)によるこまち号(275Km/h運転)と区別する為にスーパーこまち号と呼ばれていました。
同年9月28日の改正で、E6系の増備によりスーパーこまち号が増発され、こまち号の併結相手がE5系に統一されていたし。
翌年の2014(平成26)年3月15日には、秋田新幹線がE6系に統一され、スーパーこまち号がこまち号となり、東京~盛岡間での320Km/hによって、東京~秋田間が3時間37分で結ばれるようになっていました。
こまち号の本数は、東京~秋田間15往復、仙台~秋田間1往復(仙台~盛岡間では各駅に停車)であり、最速列車は、こまち35号(東京 20時16分発、大宮 20時40分発、秋田 23時53分着の下り最終、盛岡までE5系のはやぶさ35号、新青森行きの最終と併結)と、こまち6号(秋田 6時08分発、大宮 9時24分着、東京 9時47分着の上り一番列車、盛岡からE5系のはやぶさ6号、盛岡始発の1往復で、上野、雫石、田沢湖、角館の各駅が通過となります。
雫石駅停車列車は、定期列車で4往復(こまち9,13,25,31,10,14,22,28)のみと少ないので、山形新幹線つばさ号の高畠駅停車列車との関係に準じています。
田沢湖駅は、田沢湖への最寄り駅であり、乳頭温泉、田沢湖高原温泉、玉川温泉などの温泉郷と共に羽後交通バスに乗っていくことになります。
角館駅は、秋田内陸縦貫鉄道(あきた美人ライン、鷹巣~阿仁合~角館間)への乗換駅であり、駅周辺にはみちのくの小京都と呼ばれている武家屋敷群があり、春には桜の名所となります。
大曲駅は、奥羽本線の横手、湯沢、新庄方面と、大曲~秋田間の中間駅への乗換駅であり、東側に秋田新幹線と田沢湖線の乗り場があります。
こちらでは進行方向が変わるので、日本の新幹線で唯一、途中から進行方向が変わる列車となっているし。
このことで、西武鉄道の特急レッドアロー(10000系)のちちぶ号での飯能駅や小田急ロマンスカーのえのしま号の藤沢駅でのシーンのことを思い出しました。
8月の第四土曜日には、大曲駅周辺で全国花火競技大会(大曲花火大会)が行われるので、この日限定のミニ新幹線区間(大曲~盛岡、秋田間)だけを走る臨時こまち号も運転されます。
大曲駅の発車メロディーは、2012(平成24)年8月9日から「秋田おばこ節」が使われており、秋田らしさを感じます。
大曲駅のある大仙市は、2005(平成17)年3月22日(奇しくも秋田新幹線の開業記念日でもある)に、大曲市と、仙北郡の6町1村(神岡町、西仙北町、中仙町、協和町、仙北町、太田町、南外村)の合併によって出来た市であり、大曲の大と仙北郡の仙の組み合わせが市名の由来となっています。
旧中仙町は、ドンパン節発祥の地としても有名であるし。
同年9月20日には、仙北郡の田沢湖町、角館町、西木村が合併し、仙北市となっていたけど、田沢湖駅は旧田沢湖町、角館駅は旧角館町に位置しています。
秋田駅は、奥羽本線(東能代、大館、弘前、青森方面)、羽越線(羽後本荘、酒田、鶴岡、新潟方面)、男鹿線(男鹿方面)への乗換駅であり、東側の11,12番線が秋田新幹線の乗り場となっています。
毎年8月3日から6日には、秋田駅周辺で、青森のねぶた祭り、仙台の七夕祭りと並ぶ東北三大祭りの一つである竿燈まつりが行われることになります。
こまち号の車両基地である秋田車両センターは、標準軌専用の山形車両センターの本区とは異なり、標準軌と狭軌のエリアに分かれており、新幹線と在来線の両方を扱う車両基地として有名であるし。
大曲~秋田間は、山形新幹線の山形~羽前千歳、舟形(南新庄)~新庄駅間と同様に在来線と寄り添って走る区間なので、以前SL(蒸気機関車)と並走するシーンも見られていました。
E6系は、2010(平成22)年に、量産先行車であるS12編成が川崎重工業と日立製作所で製造され、試運転が重ねられた後2012(平成24)年から2014(平成26)年に掛けて量産車(Z2~24編成)が導入され、量産先行車が量産化改造されてZ1編成となっています。
Z14編成は、2013(平成25)年8月に、スーパーこまち号(当時)の増発用として日立製作所で製造されたものあるし。