こちらは、2月4日に撮影した京王れーるランド(多摩動物公園駅前)で展示されているの6000系のデハ6438号車で、明日(3月12日)まで行われている鉄道探偵と8人の容疑者のヘッドマークが取り付けられ、種別と行先が特急、高尾山口となっていました。
京王6000系は、京王初の4ドア20m車並びに優等列車用として、1972(昭和47)年から1991(平成3)年までの間に304両製造された車両で、かつて大阪市営地下鉄にあった30系(谷町線で最後まで活躍していた車両)と同様に、助士側の窓が小さい左右非対称の顔付きにより、ウィンク顔とも呼ばれていました。
1972(昭和47)年5月にデビューした当時の6000系は、6701~6706Fの6両6編成36両で、5000系と同様の抵抗制御車となっていました。
1973(昭和48)年に導入された6707Fからは、界磁チョッパ制御車となり、1991(平成3)年の5ドア車(最終増備車)まで、この方式で導入されていたし。
1998(平成10)年から2011(平成23)年までに、6000系の廃車が行われていたけど、抵抗制御車として導入されていた前述の初期型(6編成、晩年は3+5編成となっていた)が、省エネ問題により、9000系の導入を待たずに、翌年の1999(平成11)年までの間に8000系によって優先的に置き換えられていたのであります。
こちらは、JRの中央・総武緩行線で活躍していた103系の一部が、E231系の導入を待たずに、209系500番台によって先行的に置き換えられていたことと同様であるし。
1972年製の6編成が3+5編成に組み替えられたのは、1976(昭和51)年のことであり、1992(平成4)年に8000系が導入されるまでの間、5000系に替わって行楽シーズンの分割・併合特急に使われていました。
当時は、陣馬、高尾のヘッドマークが取り付けられていたこともあったし。
6000系のうち、30番台の編成は、都営新宿線乗り入れ対応だった編成であり、6438号車も、そのうちの1編成でした。
都営新宿線直通の6000系の10両運転(京王八王子、橋本寄りに2両連結)は、朝ラッシュ時のみ行われ、若葉台駅での分割・併合シーンも見られていたけど、2006(平成18)年9月1日からは終日10両編成が行われ、2009(平成21)年の撤退まで活躍していました。
2005(平成17)年5月に都営新宿線のATC装置が更新されるまで、電磁波がネックでVVVF車の乗り入れが出来ず、それまでの間、専ら6000系30番台が使われていたし。
30番台の初期型の3編成(先頭分散クーラー車、6707,6708,6709Fから改造された6731,6732,6733F)が、9000系の導入によって捻出されていた2代目6716,6718,6719Fから改造された、6746,6748,6749Fによって置き換えられていたのはその為でありました。
2011(平成23)年1月に競馬場線、同年3月に動物園線を最後に廃車となったけど、競馬場線にも使われていた6416Fは、復刻塗装となっていたし。
最後まで動物園線で活躍していた6722Fは、5ドア車で、動物園線専用のラッピング電車である初代TAMA ZOO TRAIN(多摩動物公園のラッピング電車)となっていたけど、その先頭車の前頭部は、京王れーるランドで保存され、6722号車は運転体験のシミュレーター、6772号車は車掌体験用として使われています。
京王6000系が全廃となったのは、2011年3月11日に東日本大震災が発生する直前でありました。
京王6000系の5ドア車は、1991年に千歳烏山、明大前駅でのラッシュ対策により6721,6722,6723,6724Fの5両編成4本20両が製造された最終増備車であり、5+5の10連で使われていました。
6723Fと6724Fは、5両編成のまま4ドア車に改造されていたけど、5ドア車として残された6721Fは6連、6722Fは4連に組み替えられ、6721Fは相模原線内の列車(調布~橋本間)、6722Fは2000(平成12)年10月20日にワンマン化された動物園線で使われるようになっていたし。
6438号車は、1989(平成元)年3月に、6420号車として新製され、当初は地上線用の2両編成(増結車)として活躍していました。
1993(平成5)年には、都営線直通対応改造により6438号車となり、2007(平成19)年6月から、2009(平成21)年6月に廃車となるまでの2年間は、6742Fとペアが組まれていました。
6000系による特急高尾山口行きの表示を見ていると、8000系がデビューする前の高尾山への行楽輸送列車を思い出します。
6000系が活躍していた頃の特急は、分倍河原駅と北野駅には停車しなかったし。
京王線の特急は、2012(平成24)年8月19日の調布駅付近の地下化に伴うダイヤ改定で、準特急への統合により一旦廃止されていたけど、翌年の2013(平成25)年2月22日には、特急が分倍河原駅と北野駅の停車化と共に復活していたのであります。
初期に6000系が使われていた相模原線の特急も復活していたし。
昨年3月には、6000系の2代目6707F(初代6713F、1977(昭和52)年製)のうちの3両から改造されたデワ600形が、デヤ901+902号車(9000系ベースの黄色い顔の事業用車)に置き換えられて廃車となり、6000系が改造車を含めて全滅していました。
2004(平成16)年までは、初代5000系の5125Fが現行塗装のまま事業用車として活躍していたけど、今なお残る5000系と呼んでいました。
こちらは同年11月14日にメモリアル撮影会が行われていたし。
6000系で最後まで残った8連は、2010(平成22)年8月に廃車となった2代目6717Fであり、同年2月20,21日に高尾号のヘッドマーク付きで運転される予定であったけど、同年2月12日に高幡不動検車区内で9000系の9704Fが脱線していた事故の影響により中止となり、6717Fの廃車が先送りされていたからであります。
こちらもやはり、明大前駅構内にあった無事湖の撤去による祟りであり、2014(平成26)年6月29日のゲリラ豪雨により、井の頭線の明大前駅で冠水となったのも、その影響もあるし。
6717Fは、同年3月26日に相模原線(調布~橋本間)がATC化されてからは、相模原線での自力走行が不可能となっていました。6717Fを含めた6000系の若葉台工場への出入場の時には、デワ600形による牽引が行われていたし。
京王れーるランドが出来たのは、2000年3月24日のことで、当時は駅舎に隣接された、HOゲージによるジオラマ展示、プラレールで遊ぶコーナー、コレクションギャラリー、売店のみという小規模な無料の施設だったけど、2013年10月10日には、京王線開業100周年事業により、これらの施設に加え、車両展示コーナーなども加わって鉄道の博物館らしくなっています。
京王れーるランドが作られた目的は、2000年1月10日の多摩モノレールの開業により、動物園線の利用客を呼び戻す為だけでなく、京王電車に対する知識を学んでもらうこともあるし。
これにより、鉄道系博物館らしく、小さなお子様から大人まで楽しめる施設となったのであります。
1階は、券売機、ベビーカー置き場、売店(ミュージアムショップ)、小型バスの展示、運転体験(6722号車によるシミュレーター)、電車のしくみ、車掌体験(6772号車)、HOゲージによるジオラマ展示(運転体験可能)、小型運転体験シミュレーター
2階は、プラレールで遊ぼう、アスれーるチック、クイズステーション、コレクションギャラリー、休憩コーナー、テラス
屋外展示場には、6000系6438号車、3000系3719号車(井の頭線を走っていた車両)、5000系5723号車、2010系2015号車、2400形2410号車が展示されており、その回りをミニ電車が通っています。
京王れーるランドの開館時間は、9時30分~17時30分(入館は17時まで)で、毎週水曜日(祝日に当たった場合はその翌日)や年末年始が休館日となります。
入場料は、3歳以上250円で、屋内施設と屋外施設の行き来には入場券が必要となるし。
プラレールは、タカラトミーから発売されているロングセラーの鉄道のおもちゃのことで、鉄道模型のキッズ版と呼んでいます。
高尾山冬そば号の運転日には、6438号車に冬そば号のヘッドマークが取り付けられることになっているけど、今年は鉄道探偵と8人の容疑者ヘッドマークが取り付けられた絡みにより中止となっていました。
京王線の車両と井の頭線の車両の組み合わせは、明大前駅で見られているけど、交差している為に実際に並ぶことはないので、6438号車と3719号車の組み合わせは、京王れーるランドならではでありました。
このように、京王れーるランドで、鉄道探偵と8人の容疑者ヘッドマーク付きの6438号車を撮影することが出来て良かったです。