続いては、5月27日に、大宮総合車両センター(旧、大宮工場)で行われた鉄道のまち大宮 鉄道ふれあいフェア2017で展示されていた小田急電鉄の4000形(新4000形)の4061Fで、乗り入れ先の常磐緩行線に導入される予定のCBTC(Communications-Based Train Control、無線式列車制御システム)の取り付け工事が、JR東日本の大宮総合車両センターに委託されている為に入場していたのであります。
この時には、251系(スーパービュー踊り子号)や185系(踊り子型車両)も入場していた為に、普段新宿、藤沢、小田原駅で見られるような風景が実現していました。
大宮駅で小田急の車両がやってきたということで驚いている人が多いけど、答えはこのことであったのであります。
入場回送は、海老名検車区から松戸車両センターまで千代田線、常磐緩行線経由で自力回送され、松戸車両センターから大宮総合車両センターまで、JR東日本のEF64型電気機関車(1000番台のうちの1030,1031,1032号機のいずれか、長岡車両センター(新潟県長岡市)所属)による牽引での配給輸送(常磐線、武蔵野線経由)で行われていたし。
一番最初に小田急4000形が大宮入りしていたのは、昨年11月4日の4060Fのことであり、 小田急の車両が製造元の総合車両製作所横浜事業所(旧、東急車輛製造)ではなく、JRの大宮総合車両センターに入場していたという前代未聞の出来事となっていました。
こちらは千代田線のホームドア導入関連の工事(ATO/TASC)を兼ねており、前照灯がLED化され、速度計がアナログ式からベースとなったE233系と同様のデジタル式(グラスコックピット)に変更されていたし。
このように、小田急4000形が、CBTC装置の取り付けにより大宮総合車両センターに委託入場されているのは、E233系がベースとなっていることや、常磐緩行線に乗り入れていることの縁もあります。
4060Fが大宮総合車両センターから出場したのは、今年1月12日のことであり、松戸車両センターまで配給輸送され、松戸車両センターから自力で小田急への返却回送が行われていました。
4061Fは、2010(平成22)年2月に東急車輛製造で製造された2次車であり、今年4月6日に大宮総合車両センターに入場し、6月8日に出場していたので、その期間中である5月27日のイベント当日に入場風景が公開されていたのであり、JRのイベントなのに小田急の車両を見れたという普段有り得ないようなシーンが披露されていたのであります。
小田急電鉄で、誰でも参加出来るイベントは、10月半ば頃の土日に海老名車両基地(海老名検車区)で行われる小田急ファミリー鉄道展だけであり、大野総合車両所(大野工場、相模大野駅付近)で誰でも入れるようなイベントが行われていないので、今回の大宮総合車両センターでの新4000形の入場シーンを見れたのは貴重でした。
関東の大手私鉄のうち、現在定期的に誰でも入れるような車両工場公開が行われているのは、東武鉄道の南栗橋車両管区(南栗橋工場、東武ファンフェスタ)、西武鉄道の武蔵丘車両検修場(西武・電車フェスタ)、京浜急行電鉄(京急)の京急ファインテック久里浜事業所(京急ファミリー鉄道フェスタ)であり、いずれも台湾鉄路管理局との友好鉄道協定が結ばれています。
そのうちの京急ファミリー鉄道フェスタは、大宮イベントの翌日に行われるのが基本となっているので、自分(しゃもじ)のように土曜日は大宮、日曜日は京急久里浜で楽しむ人も多いです。
6月8日に4061Fが大宮総合車両センターから出場した時には、松戸車両センターまで配給輸送が行われていたけど、牽引機がいつものEF64型ではなく、赤いEF81 139号機(田端運転所(元秋田車両センター)所属)によるによる牽引となっていました。
小田急の通勤型車両の青帯は、1969(昭和44)年から2012(平成24)年まで活躍していた5000形(最後の小田急顔だった車両)からの受け継がれており、ロイヤルブルーからインペリアルブルーへと進化しています。
4000形は、2007(平成19)年から昨年までの間に16編成導入されたけど、昨年12月に導入された4066F(総合車両製作所横浜事業所製)は、運転台のデジタル化、車椅子スペースの増設などで仕様変更され、製造当初からCBTC、ホームドア対応となっています。
大宮総合車両センターへの入場は、4051~4065Fが対象で行われることになり、これまでに4059,4060,4061Fの順に改造されていました。
昨年10月15,16日に海老名車両基地で行われた小田急ファミリー鉄道展2016では、4065F(鉄道車両初の調光機能付きLED照明完備)が、東京メトロ16000系の16130F、JR東日本E233系2000番台のマト16編成(クハE233-2016F)と共に展示されていたので、千代田線直通テーマの展示となっていました。
今年は小田急線開業90周年に加え、旧3000形ロマンスカーSE車の生誕60周年を迎える節目の年であるので、どうなるのか気になります。
E233系2000番台のほうは、今年3月に、6年ぶりの増備車であるマト19編成(クハE233-2019F、総合車両製作所横浜事業所製)が導入されたことで話題になっているし。
4066Fは今年3月13日に営業運転が開始され、現在はPASMO10周年記念ヘッドマークが付いています。
今年度中には、小田急線の新宿~経堂間の各停の10両化が予定されているので、新3000形の8連に2両の中間車が入れられて10両化されることになります。
これにより、4000形も新宿口の各停にも使えるようになるし。
このことに合わせて、代々木八幡駅が2面2線の相対式から1面2線の島式に改良され、橋上駅舎に改築されることになります。
代々木上原寄りの踏切がずれたのはその為であり、今年3月4日からは跨線橋が廃止されて北口が新宿方面、南口が小田原方面専用となっていたし。
小田急4000形は昨年3月26日の常磐緩行線乗り入れへの進出により、千葉県(松戸市、柏市、我孫子市)や茨城県(取手市)にも進出していたけど、埼玉県に乗り入れるのは、大宮入場ならではのシーンでありました。
千代田線と有楽町線を結ぶ連絡トンネルを通せば和光市(埼玉県和光市)へも行けるし。
今年4月6日に豊洲から所沢まで、西武40000系に乗った時に桜田門駅付近で連絡線路の入口を見た時に千代田線を走る姿を想像していました。
小田急4000形は、地下鉄千代田線乗り入れのほか、小田急線内の10両編成にも盛んに使われているので、新宿駅にも定期的に乗り入れています。
このように、大宮総合車両センターのイベントで、小田急4000形を撮影することが出来て良かったです。
この記事は、小田急電鉄の車両(4000形)がテーマなので、大宮総合車両センターのイベントレポートでありながら、大手私鉄のカテゴリーとさせていただきました。