
2020年度から、横須賀・総武快速線に、E235系(山手線でお馴染みの新型車両)の近郊バージョンが順次導入されて、E217系が置き換えられるという情報が入ってきました。
こちらは、E217系と同じ11両基本編成(グリーン車付き)51本と、4両付属編成46本の745両導入予定であり、山手線のE235系と同様に、デジタルサイネージが設置されることになります。
横須賀・総武快速線用での初の試みは、JR東日本初となる非常走行用電源装置の採用、ドアボタンの取り付け等であり、グリーン車では、座席へのコンセントの設置、無料公衆無線LAN(無料Wi-Fi)の提供、液晶ディスプレイによる案内表示の取り付けによって、従来の普通列車用グリーン車よりもグレードアップされます。
中央快速線に導入されるグリーン車も、このようなグレードとなることが予想されています。
普通車の座席は、E217系の9,10,11号車(東京、千葉寄りの車両)にあったようなクロスシートが廃止されてロングシートに統一されるけど、座席幅が従来よりも拡大されることになります。
普通車のクロスシートが廃止され、ロングシートに統一されることで不満の声が聞こえているけど、E217系の付属編成(増1号車~増4号車)が全てロングシートであることや、ラッシュ時の混雑率のことを思うと妥当であることが分かります。
ロングシートは、混雑時に詰め込みやすくなるというメリットがあるけど、クロスシートとは違い、旅情が薄れるというデメリットがあります。
E217系のトイレは、1号車が車椅子対応の幅広洋式トイレ(誰でもトイレ)、11号車と増1号車が和式トイレ、5号車(グリーン車)が通常幅の洋式トイレ(化粧室付き)となっているけど、E235系では、普通車のトイレが全て車椅子対応の幅広洋式トイレ(誰でもトイレ)となり、付属編成側のトイレも洋式化されます。
E217系がデビューしたのは、1994(平成6)年12月3日のことであり、1999(平成11)年12月までの間の5年間掛けて増備され、113系が置き換えられていました。
このことで、横須賀・総武快速線でスカ色の113系が活躍していた頃が懐かしいなと思いました。
E217系が209系(通勤型車両)ベースの4ドア車であることにより、E231系から通勤型と近郊型の共通設計となったきっかけとなり、それがE233系やE235系に受け継がれています。
E235系は、山手線用と同様に早いペースで導入されることが予想されます。
E235系の導入予定区間は、横須賀線(東京~逗子~久里浜間)、総武快速線(東京~千葉間)、総武本線(千葉~佐倉~成東間)、成田線(佐倉~成田~香取間、成田~成田空港間)、外房線(千葉~蘇我~上総一ノ宮間)、内房線(蘇我~君津間)、鹿島線(香取~鹿島神宮間)であり、4両付属編成による鹿島神宮発着の列車も継続されることが分かります。
山手線用のE235系と異なる点は、側面に帯が入ることもあります。
今後は、湘南新宿ラインと上野東京ライン(東海道線、宇都宮線、高崎線)にもE235系の導入が検討されていると言われているので、これに伴うE217系やE231系の動向が気になります。
転用されるとしたら、205系、211系、209系の置き換えが有力候補となるので、これらの車両の乗車・撮影をお薦めします。
今年8月25日(土)に、東京総合車両センター(TK)で行われた夏休みフェアでは、検査入場中のE217系のクラY22編成の1号車(クハE216-2022号車)の車体吊り上げ実演が行われていたので、それを撮影した時には、置き換え発表前に撮影出来て良かったなと思っています。
Y22編成は、1997(平成9)年12月に、新津車両製作所(総合車両製作所新津事業所の前身(E217系としては第一号となった)、グリーン車は東急車輛製造(当時))で製造された編成であり、バリアフリー対応により、1号車のトイレが和式から車椅子対応の幅広洋式トイレ(誰でもトイレ)に変更された第一号でもあります。
Y21編成以前の編成では、1号車が車椅子対応トイレ付きの新造車に差し替えられ、捻出された先頭車が、増1号車に回されていました。
2000(平成12)年に登場したE231系近郊バージョンでは、同年の交通バリアフリー法の施行により、基本編成の1号車に加え、5両の付属編成(11号車)にも車椅子対応の洋式トイレが導入され、2004(平成16)年に東海道線の113系の置き換え用として国府津車両センター(横コツ)に導入されたE231系の改良型からは和式トイレが廃止されて洋式トイレに統一されています。
E217系が導入された当初は、東京トンネル区間(品川~東京~錦糸町間)を通る時に、地下鉄と同様に貫通ドアを取り付けることが義務付けられていたけど、法改正により、1999年1月に導入された編成から貫通ドアが廃止され、貫通ドア付きと同じ外観の非貫通車となっています。
これを聞いて北鎌倉駅付近等でE217系を撮影する人が増えてくると思います。
山手線のE235系は、9月3日(月)にトウ25編成が総合車両製作所新津事業所から出場し、今日(9月6日)大崎まで配給輸送されていたので、50本導入予定のうちの半分の25本が導入されたことになりました。
残りの25本は、2020年春まで導入される予定なので、その導入が完了した後に横須賀・総武快速線用のE235系が製造されることになります。
2015(平成27)年3月に落成していたE235系の量産先行車であるトウ01編成は、同年11月29日に品川~横須賀間の団臨として横須賀線を走っていたので、横須賀線にE235系が導入されるのもその縁であると思っています。
その翌日の11月30日に山手線(外回り)で営業運転が開始されたのは良いけど、INTEROSの不具合に伴う車両トラブルにより運転が打ち切られ、出鼻をくじかれていました。
その後にINTEROSのソフトウェアが改修され、翌年の2016(平成28)年3月7日に営業運転が再開されたのであります。
E235系の量産車は、昨年5月22日に営業運転が開始されたけど、その2日後の5月24日にE235系がローレル賞に選ばれていました。
本来なら2016年度のブルーリボン賞・ローレル賞にノミネートされるはずだったけど、トラブルにより出鼻をくじかれた為に昨年度にノミネートされ、ローレル賞の受賞となったのであります。
E231系500番台は、トウ524編成改めミツA524編成が9月4日に東京総合車両センターを出場していたけど、入れ替わりにトウ530編成が入場していました。
山手線ではこれまで、503,507~511,513~530,540編成が運用離脱され、中央・総武緩行線に順次転用されているけど、中央・総武緩行線のE231系500番台を見れる機会が大幅に増え、209系500番台の影が薄くなっています。
これにより、E231系の520番台並びに2003(平成15)年製の編成が全て山手線を去ったことになりました。
横須賀・総武快速線のE217系が12~15号車ではなく、増1号車~増4号車となっている理由は、東京駅発着列車で有楽町(品川)寄りに来る車両を1号車とする決まりがあり、逗子駅での留置線の配線の関係により、東京・千葉寄りに付属編成を連結することが出来ない為に反対側の1号車の隣に連結されているからであります。
11両基本+4両付属のスタイルは、2006(平成18)年3月17日まで存在していた東海道線の113系でも見られていました。
2006年3月18日から2015年3月13日までの間、E217系の初期型編成が東海道線の東京~熱海間(湘南帯)で活躍していたこともあったけど、E231系やE233系と揃える為に10+5編成に組み替えられ、15両固定で扱われていたので、比較的狙いやすかったです。
E217系等を撮影する時には、マナーを守ってもらいたいです。
今回の記事では、E217系の吊り上げシーンのほか、9月4日に新宿駅で撮影した、山手線のE235のトウ18編成を取り上げておきました。