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8月26日は、東京総合車両センターのイベント(夏休みフェア2017)で、横須賀・総武快速線のE217系のクラY106編成(クハE217-2006F、4両付属編成)による試乗電車に乗りました。
東京総合車両センターのイベントでの試乗電車は、毎年試運転線が使われた上で運転されているものであり、昨年は、E233系の4両編成、今年はE217系の4両編成が使われていたので、比較的短い編成が使われていることが分かります。
E217系の付属編成は、一昨年3月16日から今年3月3日まで、平日の日中に1往復運転されていた内房線の東京~館山間直通の特別快速に使われていたことで有名であり、今回特別快速館山行きの表示も再現されていました。
内房線の君津~館山、安房鴨川間は、普段209系による普通列車しか走らない区間に成り下がっていたので、東京湾アクアラインが出来たことの影響を受けていることが分かります。
東京湾アクアラインが出来てからは、今年12月18日で早20年経つし。
E217系は、当時増備が進められていた209系ベースの4ドアの近郊型電車であり、1994(平成6)年から1999(平成11)年までの間に、スカ色113系の置き換え用として、11両基本51本、4両付属46本の計745両が導入されていました。
1994年12月3日のデビュー当時は、量産先行車の2編成30両が、大船電車区(現、鎌倉車両センター)に導入されていたけど、当時は15両編成で、逗子~東京~成田空港間での限定運用が組まれていました。
翌年の1995(平成7)年には量産化され、1997(平成9)年には、幕張電車区(現、幕張車両センター)にも配置され、1999年12月4日には、E217系への置き換えが完了していました。
横須賀・総武快速線の車両の大船→鎌倉区と幕張区の分散配置は、113系の時代から受け継がれていたけど、2006(平成18)年3月18日には、鎌倉車両センターに集中配置されています。
編成記号は、F編成(幕張車はR編成)からY編成となり、11両基本編成は0番台、4両付属編成は100番台となっているし。
2000(平成12)年にデビューしたE231系から通勤型と近郊型の共通設計となったのは、E217系があるからこそであり、それがE233系にも受け継がれています。
山手線に導入されたE235系のほうは、今のところ通勤型バージョンのみとなっているし。
E217系の量産先行車を含めた3編成(F-01~03,F-51~53編成)は、2006年3月に東海道線(東京~熱海間)で最後まで残されていたパンプキン塗装の113系の置き換え用として国府津車両センターに回されていたけど、当時は、10+5の15両固定編成扱いにより、東京~熱海間で限定運用されていました。
一昨年3月14日の上野東京ラインの開業により、古巣の鎌倉総合車両センターに戻されていたし。
最後まで東海道線で活躍していたのは、F-02+52(現、Y2,102編成)であり、一昨年1月6日に熱海駅でそれを撮影していました。
インバータ装置は全編成で更新済であり、更新と共に前面のE217のロゴマークが、JR東日本のロゴマークに変わっていました。
E217系の運転範囲は、横須賀線の東京~大船、逗子、久里浜間、総武快速線の東京~千葉間、総武本線の千葉~佐倉、成東間、成田線の佐倉~成田、成田空港、佐原、香取間、鹿島線の香取~鹿島神宮間、内房線の千葉~君津間、外房線の千葉~上総一ノ宮間であり、成田~鹿島神宮間は、4両付属編成のみの乗り入れとなります。
2001(平成13)年12月1日から2004(平成16)年10月15日までの間は、湘南新宿ラインとして新宿まで乗り入れていたこともありました。
横須賀・総武快速線の路線(久里浜~東京間は横須賀線、東京~千葉間は総武快速線)
久里浜~衣笠~横須賀~田浦~東逗子~逗子~鎌倉~北鎌倉~大船~戸塚~東戸塚~保土ヶ谷~横浜~新川崎~武蔵小杉~西大井~品川~新橋~東京~新日本橋~馬喰町~錦糸町~新小岩~市川~船橋~津田沼~稲毛~千葉→(一部の列車は、総武本線、成田線、鹿島線、内房線、外房線へ直通運転)
総武本線(千葉~佐倉、成東間)では、東千葉駅が、内房線(千葉~君津間)では、巌根駅が快速の通過駅となるけど、外房線直通の快速の場合は、永田、本納、新茂原、八積の各駅が通過となります。
横須賀線の田浦駅は、トンネルとトンネルの間に挟まれた駅であり、ホームが短い為に11両の場合は、先頭車の1両目(下りの横須賀、久里浜行きは1号車、上りの東京、千葉方面は11号車)の全てと、先頭から2両目の前のドアが開かないので注意を促すステッカーがあります。
4両編成(逗子~久里浜間の区間運転)の場合は問題はないし。
このことは、かつての京王井の頭線の神泉駅に似たような状態であり、吉祥寺寄りの2両がトンネル内でドアが開かずに停車していました。
当時の井の頭線は、3000系(3ドア18m車、同じ東急車輛製造製)が当たり前だったし。
乗換駅
久里浜 京急久里浜線(京急久里浜駅)
鎌倉 江ノ島電鉄線(江ノ電)
大船 東海道線(小田原、熱海方面)、根岸線(京浜東北線または横浜線へ直通)、湘南モノレール江の島線
戸塚 東海道線(一部上野東京ラインまたは湘南新宿ラインとして高崎線またはJR宇都宮線へ直通運転)⇔横須賀線、横浜市営地下鉄ブルーライン
横浜 東海道線、京浜東北線(一部は横浜線へ直通)、根岸線、京急本線、東急東横線、みなとみらい線、相鉄本線、横浜市営地下鉄ブルーライン
武蔵小杉 南武線、東急(東横線、目黒線)、湘南新宿ライン(東海道線⇔高崎線直通列車(快速または特別快速))
西大井 横須賀線⇔湘南新宿ライン(横須賀線⇔JR宇都宮線直通列車)
品川 山手線、京浜東北線、上野東京ライン(東海道線⇔高崎線、JR宇都宮線、常磐線直通)、東海道・山陽新幹線、京急本線
新橋 山手線、京浜東北線(日中は快速運転の為通過)、上野東京ライン、東京メトロ銀座線、都営浅草線、新交通ゆりかもめ
東京 山手線、京浜東北線、中央快速線、上野東京ライン、京葉線、東北・北海道・山形・秋田・上越・北陸新幹線、東海道・山陽新幹線、東京メトロ丸ノ内線、東京メトロ東西線(大手町駅)
新日本橋 東京メトロ(銀座線・半蔵門線(三越前駅))
馬喰町 都営新宿線(馬喰横山駅)、都営浅草線(東日本橋駅)
錦糸町 中央・総武緩行線(御茶ノ水、新宿、三鷹方面)、東京メトロ半蔵門線
船橋 東武アーバンパークライン(野田線)、京成本線(京成船橋駅)
津田沼 新京成線(新津田沼駅)
千葉 総武本線(佐倉、成東、銚子方面)、成田線(成田、成田空港、佐原、銚子方面)、内房線(木更津、君津、館山、安房鴨川方面)、外房線(大網、上総一ノ宮、勝浦、安房鴨川方面)、千葉都市モノレール(1号線、2号線)、京成千葉線(京成千葉駅)
逗子駅からは、京急逗子線の新逗子駅まで歩いて行くことも出来ます。
E217系のトイレは、1,11,増1号車と5号車(グリーン車)にあり、11号車と増1号車は和式、1号車と5号車は洋式となっています。
デビュー当時は、1号車のトイレも和式となっていたけど、1997年から車椅子対応の幅広洋式トイレ(誰でもトイレ)となり、それ以前に製造された車両も組み替えが行われています。
E231系の近郊バージョンからは、5両の付属編成のトイレも幅広の洋式トイレに変更されていたので、2000年に施行された交通バリアフリー法の影響であることが分かります。
交通バリアフリー法では、列車内にトイレを設ける場合、1ヶ所は車椅子対応の洋式トイレにしなければならない状態となっているし。
2004年に東海道線(国府津車両センター)に導入されたE231系近郊バージョンの後期型からは和式トイレが廃止されて洋式トイレに統一されているけど、その後に登場したE531系やE233系の近郊バージョンのトイレも全て洋式となっています。
E217系の座席は、4,5号車のグリーン車が回転リクライニングシート、9,10,11号車がセミクロスシート(ボックスシートあり)で、他は4両付属編成を含めて全てロングシートとなっているし。
今回の試乗電車に使われたY106編成は、1996(平成8)年に東急車輛製造(現、総合車両製作所横浜事業所)で製造されたもので、当初はF56編成を名乗っていました。
E217系が製造されたメーカーは、ベースとなった209系と同様に、東急車輛製造、川崎重工業、新津車両製作所(現、総合車両製作所新津事業所)であり、東急車輛製の一部には、大船工場(のちの鎌倉総合車両センターの深沢地区で現在は廃止されている)で分担製造されたものも含まれています。
新津製の基本編成には、東急車輛製のグリーン車が組み込まれているし。
東京総合車両センターのイベント(夏休たみフェア)の試乗電車は、大宮総合車両センターでのイベント(毎年5月下旬に行われている)とは異なり、整理券不要で、時間内に来れば誰でも乗れるのが嬉しいと思います。
大宮の試乗車(今年は253系が使われていた)の場合は、整理券が必要であり、早めに並ばなければ手に入らない状態となっているし。
試乗列車に乗った時には、事故による保留車となっている京浜東北線のE233系のサイ177編成の一部を見ることが出来ました。
自分(しゃもじ)が乗った時にはEH500型牽引の貨物列車が横を通過していたというサプライズがあったし。
このように、東京総合車両センターのイベントで、E217系による試乗電車に乗ることが出来て良かったです。