11月7日に行われた豊田車両センターまつりでは、豊田車両センター所属の189系の復刻グレードアップあずさ塗装(イタリアンカラー)のトタM52編成(クハ189-11F)と、長野総合車両センターで唯一残った189系のあさま塗装であるナノN102編成(クハ189-9F)が展示されていました。
トタM52編成は、一昨年に田町車両センター(現、東京総合車両センター田町センター)→大宮総合車両センターで活躍していたチタ→オオH102編成(臨時のムーンライトながらで活躍していた10両固定編成)から組成された6両編成で、トタM51編成も同時に、8両固定編成だったチタ→オオH81編成の先頭車と、オオH101編成の中間車の一部から組成されていました。
トタM52編成は、M51編成と同様に、国鉄色のままとなっていたけど、昨年12月2日の検査出場により、復刻グレードアップあずさ塗装となり、同年12月6日の団臨でお披露目されていました。
これにより、2003(平成15)年からあるトタM50編成(クハ189-507F)があずさ色、M51編成が国鉄色、M52編成がグレードアップあずさ塗装と、3編成異なる塗装となり、長野総合車両センターのナノN102編成(あさま塗装)と合わせれば、現役189系の4本で異なる塗装となっています。
これらの編成は全て189系(かつて旧あさま号で活躍していた編成)となっているので、183系はナノN101編成に連結されていた、クハ183-1525,1528号車(ATC付きで、晩年国鉄色を纏っていた車両)を最後に、今年5月17日のさよなら運転をもって全廃(型式消滅)となっていたことが分かります。
長野の189系のうち、大宮総合車両センターから来たオオOM103編成改め、ナノN104編成(クハ183-1527F)が今年4月にあさま塗装で中間車からの改造車だったナノN103編成と共に廃車となったことで、元グレードアップあずさの車両が全滅となっていたし。
183系は、1972(昭和47)年の房総地区の0番台の登場以来43年間の幕を閉じたことになったけど、189系のほうは、1975(昭和50)年のデビューからちょうど40年経っているので、いつ廃車になってもおかしくない状態となっています。
グレードアップあずさは、中央高速バスに対抗する為に、1987(昭和62)年から1989(平成元)年に掛けて、松本運転所(現、松本車両センター)所属だった183系の9両編成8本が改造されたもので、イタリアンカラーの塗装、セミハイデッカー方式への改造、グリーン車の2+1の3列化、グリーン車のトイレの洋式化などが行われたことで話題になっていました。
1992(平成4)年頃に、全編成を対象にM50編成と同じあずさ色に変更されたことで、グレードアップ塗装が姿を消していたけど、このように、M52編成で復活してくれて良かったと思っています。
グレードアップあずさ塗装は全て183系だったので、189系に施されたのは初めてだったし。
グレードアップあずさ塗装が運転されていた当時は、フィルム式の銀塩カメラ(アナログ方式)で撮影する時代であったので、M52編成をデジカメ、携帯電話、スマホで撮影する風景(デジタル撮影)を見た時は、リバイバルならではと思いました。
銀塩方式のアナログ写真のほうは、現像の手間が掛かり、現像費も掛かっていたことにより、コストが増大であるので、デジタル撮影機器が普及した現在は珍しくなっています。
このM52編成は、旧あさま号で使われていた時にグレードアップ化されていたので、国鉄色→あさま色→あずさ色→国鉄色→グレードあずさ色と変化しています。
そのうちのクハ189-509号車は、指定席に使われていたグレードアップ改造車なので、グレードアップ時代を彷彿とさせるし。
豊田車両センターの189系は、ホリデー快速河口湖号を中心に活躍しているけど、M52編成に関しては、塩山と長野を結ぶ臨時特急である甲信エクスプレスに使われています。
甲信エクスプレスは、山梨エリアから北陸新幹線とのアクセスの為に出来た列車でもあるし。
北陸新幹線の開業は、今年の鉄道界で最大の話題となっています。
トタM52編成には、H102編成時代にムーンライトながら号で乗ったことがあり、一昨年7月の関西遠征の時にそれに当たっていました。
復刻グレードアップ塗装化と共に前面の特急シンボルマークも復元されているけど、今年7月に検査出場した国鉄色のトタM51編成にも特急シンボルマークが復元されています。
鉄道博物館には、国鉄色のクハ183-1009,1020号車、モハ189-31号車、モハ188-31号車がランチトレインとして静態保存されているけど、先頭車はグレードアップあずさ、中間車はグレードアップあさまとなっていた車両でありました。
こちらも2011(平成23)年に特急シンボルマークが復元されているので、やはり国鉄色の183系や189系には、特急シンボルマークがあるほうが良いと思っています。
今回は、M52編成がグレードアップあずさ塗装となってから初めて迎えた豊田車両センターまつりとなっていたので、あずさ表示となり、あさま塗装のナノN102編成のあさま表示との並びにより、189系祭りが実現したのであります。
このように、豊田車両センターのイベントで、189系による復刻グレードアップあずさ塗装を撮影することが出来て良かったです。