こちらは、12月4日は、東武鉄道の南栗橋車両管区(南栗橋工場)で行われた、東武ファンフェスタ2016で展示されていた、JR東日本の大宮総合車両センター東大宮センター(宮オオ)所属の253系1000番台(東武線直通特急の日光・きぬがわ用)のOM-N02編成(クハ253-1002F)です。
この日は、JR東日本と東武鉄道による新宿~東武日光・鬼怒川温泉間の直通特急のデビュー10周年を記念して、東武ファンフェスタ号(東武トップツアーズ(旧、東武トラベル)主催による事前申込制の団臨)が川越→栃木→南栗橋間で運転されたことで話題になっていました。
東武トップツアーズは、昨年4月1日に、かつて東急観光(東急グループの旅行会社)だったトップツアーと、東武トラベルの合併により出来た、その名の通りの東武グループの旅行会社であり、東京2020オフィシャル旅行パートナーでもあります。
このような東武ファン向けのツアー列車は、東武トラベルの時代から続けられており、東武トラベルのDNAが流れているし。
東武ファンフェスタ号のルートは、川越(乗車扱い)→(JR川越線)→大宮→(JR宇都宮線)→栗橋連絡線→(以下、東武日光線)→新栃木→東武線栃木(乗車扱い)→南栗橋というルートであり、普段253系が走ることのないJR川越線(大宮~川越間)や、東武日光線の南栗橋~栗橋間を走るシーンも見られていました。
川越から運転されていたことは、東武東上線沿線から送り込むという目的があったので、来年夏に登場予定の伊豆急行のTHE ROYAL EXPRESS(ロイヤルエクスプレス、アルファ・リゾート21からの改造車)が、横浜~伊豆急下田間で運転されることで、横浜駅で、伊豆急行の親会社である東急線沿線からの送り込みが行われることに準じていたし。
このツアーでは、ツアー限定枠により、話題のSL撮影会に参加出来たことに加え、記念品や記念弁当も付いていたという盛り沢山の内容であり、川越発(200名)、栃木発(40名)共にすぐに満員御礼となっていました。
電車の車両撮影会の優先権はなかったけど、解散後に車両撮影会に間に合う時間帯に設定されていたし。
253系は、1991(平成3)年3月19日に成田エクスプレスでデビューし、2002(平成14)年までの間に、6両化用の中間車を含めて、111両が製造され、大船電車区→鎌倉総合車両所→鎌倉総合車両センター→鎌倉車両センターに配置されていました。
2002年に導入された最終増備車の2編成(どちらも6両固定編成で東急車輛製造(現、総合車両製作所横浜事業所)製)は、同年開催されたFIFAワールドカップ2002(日韓共同開催)に伴う増備車であり、200番台(NE201,202編成)を名乗っていました。
こちらは座席が改良され、全てLED表示となっていたほか、他の253系と仕様を揃える為に、主電動機が、中央・総武緩行線(元をただせば京浜東北線)から武蔵野線に転用された205系の2編成のVVVF化により発生したものが流用されていたし。
武蔵野線に転用された205系のVVVF化によって発生した主電動機の流用は、この2編成だけでありました。
2009(平成21)年から2010(平成22)年に掛けて、E259系に置き換えられ、200番台の2本と、長野電鉄(長野県)に2100系として譲渡された2本(3両付属編成だった旧、NE106,107編成、特急スノーモンキー用)を除いて、団臨用に転用されることもなく全て廃車となっていました。
そのうちのNE06編成は、2010年6月5日に新宿から成田空港まで乗った時に当たっていた編成でした。
3両付属編成は、グリーン個室を除いて普通車化されていたし。
長野電鉄では、4人用個室がそのまま使われ、指定席扱いの「Spa猿~ん」と、スノーモンキーらしく、猿とサルーンを組み合わせた名称となっています。
スノーモンキーは、長野県下高井郡山ノ内町にある地獄谷野猿公苑の猿に因んだ愛称であり、冬場には露天風呂に浸かるお猿さんたちを見ることが出来ます。
廃車となった253系の初期型のうち、トップナンバーの全室グリーン車だったクロ253-1号車が、長野総合車両センターで解体されずに保存前提により保管され、イベントで公開されていました。
200番台のほうは、これまで485系のリニューアル車(小山車両センター所属)が使われていたJR東日本の特急日光・きぬがわ号のグレードアップ化により、製造元である東急車輛製造で1000番台(VVVFインバータ車)に改造され、2編成共に日光・きぬがわ号(大宮総合車両センター東大宮センター)に転用されたのであります。
これまでは、専用の485系が1編成しかなく、それが使えない時には、東武鉄道から100系スペーシアのJR線乗り入れ対応編成(3本のうちの1本)を借り入れてでの代走が行われていたけど、それでも車両運用のやりくりが付かなかった時には、189系による彩野編成(大宮総合車両センター東大宮センター所属で、485系と同じ塗装だった)による代走も行われていました。
189系の彩野編成は、485系リニューアル車や東武100系スペーシアと比べてグループに格差があり、トイレが全て和式で、外国人観光客には適していなかったので、なるべく使わないようにしていたのもそのはずであったし。
こちらは、偽直通特急のイメージが強かったです。
このようなことは、2012(平成24)年3月16日まで、新宿~沼津間(小田急線、JR東海御殿場線経由)で運転されていた頃の特急あさぎり号で、1編成しかなかったJR東海の371系が使えなかった時に、小田急電鉄の20000形(ロマンスカーのRSE車)で代走されていたことと同じような出来事でした。
現在小田急20000形の20002Fと、JR東海の371系は、どちらも3両化された上で富士急行(山梨県)に譲渡され、前者は8000系(2代目フジサン特急)、後者は8500系(富士山ビュー特急)として特急あさぎり時代と同様に富士山の麓で活躍しています。
253系1000番台は、2011(平成23)年4月16日に営業運転が開始されるはずだったけど、同年3月11日に発生したは東日本大震災の影響により、6月4日に延期されていました。
2編成あるということで予備車が確保されるようになり、定期運用の4往復(1編成使用)に加えて、臨時列車にも盛んに使われるようになっています。
100系スペーシアのほうも、これまで通り臨時列車にも使えるし。
今回の東武ファンフェスタ号は、253系が2編成あるからこそ出来た列車であります。
253系1000番台の座席は、奇数号車(1,3,5号車)がオレンジ色、偶数号車(2,4,6号車)が青色であり、シートピッチが1100mmと、東武100系スペーシアに匹敵しています。
6号車は、グリーン車から改造された車両で、グリーン個室跡は、車販準備室に転用されています。
JR車の車販は、JR東日本グループの日本レストランエンタプライズ(NRE)によって行われているし。
トイレは、偶数号車に当たる2,4,6号車にあり、種車と同様に全て洋式で、2,4号車には男性用小トイレもあります。
2号車には、車椅子対応座席や多目的室があり、洋式トイレが車椅子対応の誰でもトイレとなっているし。
6号車のトイレは、成田エクスプレス時代のグリーン車のトイレと同様に、洋式の個室と洗面所だけとなっているので、山形新幹線つばさ号(E3系)の15号車のトイレと同様となっています。
直通特急を含めた東武特急で男性用小トイレが付いているのは、485系リニューアル車の時からJR車だけとなっているけど、来年デビュー予定の新型特急Revaty(リバティ)では、車椅子対応の洋式トイレ(誰でもトイレ)に加え、東武鉄道の車両で初めての男性用小トイレも付くことになります。
こちらはデビュー当時の253系みたいな感じの3両編成(6両編成で分割・併合が可能)となるし。
1,3,4,5,6号車には、種車と同様に荷物置き場があり、3,4,5号車には、その反対側に鏡付きのパウダーコーナーがあります。
外観は、非貫通化され、愛称表示が取り付けられた前面に、赤色と黄色の車体の組み合わせとなっているので、253系に似合っていると思います。
今回は、東武8000系の8111Fとの並びも撮影出来たことで大サービスでもありました。
東武ファンフェスタでの撮影会では、過去に東急電鉄や東京メトロの車両の展示もあったし。
このように、東武ファンフェスタ2016で、スペシャルゲストとなっていたJR253系を撮影することが出来て良かったです。
この記事は、東武ファンフェスタ2016の記事であるけど、JR東日本の車両なのでJRカテゴリーとさせて頂きます。