
HIGH RAIL 1375は、夏の繁忙期を迎えた今年7月1日に、山梨県北杜市の小淵沢駅と、長野県小諸市の小諸駅を結ぶ高原列車である小海線(八ヶ岳高原線)の旅をより楽しんでもらう為に出来た列車であり、特別仕様の座席、ギャラリーHIGH RAILなどのある遊び心が満載であります。
1375とは、清里~野辺山間にあるJR線並びに日本の鉄道の最高地点が標高1375mであることに由来しており、野辺山駅は、標高1345.67mと、日本の普通鉄道で一番高い場所にあるので、空にいちばん近い駅と言われています。
因みに、世界一高い場所にある駅は、中華人民共和国(中国、China)のチベット自治区ナクチュ市アムド県にあるタングラ駅(中国国鉄青蔵線、標高5068.63m)であり、2006年(日本でいう平成18年)7月1日に青蔵鉄道2期線(ゴルムド~ラサ間)と共に開業していました。
ロープウェイ(索道)を含めた鉄道で最も高い場所にある駅は、同じ長野県(駒ヶ根市)の駒ヶ岳ロープウェイ(中央アルプス観光、しらび平~千畳敷間)の千畳敷駅(2611.5m)であり、日本一高い場所にあるホテルであるホテル千畳敷もあります。
千畳敷は、千畳敷カールで有名であり、駒ヶ岳ロープウェイの山麓側の乗り場であるしらび平駅へは、飯田線(JR東海)の駒ヶ根駅から中央アルプス観光バスや伊那バス(中央高速バスでお馴染みの伊那・駒ヶ根エリアのバス会社)で行くことになります。
箱根の駒ヶ岳ロープウェー(プリンスホテルによる運営)は、駒ヶ岳ロープウェイと名前が似ていて紛らわしい状態であるけど、箱根駒ヶ岳ロープウェーと呼ばれているだけでなく、ロープウェイではなく、ロープウェーと呼ばれています。
JRの最高地点へは、野辺山駅から徒歩で約25分掛かるけど、レンタサイクルを使って行くことも出来ます。
12月から2月までの冬季ダイヤでは、小諸発小淵沢行きのHIGH RAIL2号と、小淵沢駅発小諸行きのHIGH RAIL星空号(野辺山駅で星空観察会あり)のみであり、7月1日から9月30日までの夏ダイヤと、10月1日から11月26日までの秋ダイヤでは、小淵沢発小諸行きのHIGH RAIL1号も運転されていました。
HIGH RAIL 1375の時刻(冬ダイヤ、12月から2月まで)
HIGH RAIL2号
小諸 11時43分発→佐久平 11時53分着、11時54分発→岩村田 11時55分着、11時58分発→中込 12時04分着、12時06分発→臼田 12時11分着、12時12分発→八千穂 12時21分着、12時22分発→小海 12時30分着、12時34分発→信濃川上 12時58分着、12時59分発→野辺山 13時11分着、13時28分発→清里 13時36分着、13時42分発→小淵沢 14時07分着
佐久平駅で、東京 9時44分、大宮 10時10分発の北陸新幹線あさま605号(E7系による運転)または、東京 9時56分、大宮 10時22分発のあさま633号(臨時列車)から接続。
小淵沢駅で、14時36分発→八王子 16時03分、新宿 16時34分着の特急あずさ20号(E257系による運転)に接続。
HIGH RAIL星空号
小淵沢 17時09分発→清里 17時54分着、17時55分発→野辺山 18時03分着、18時40分発(その間、星空観察会あり)→信濃川上 18時49分着、18時50分発→小海 19時13分着、19時15分発→八千穂 19時23分着、19時24分発→臼田 19時31分着、19時32分発→中込 19時37分着、19時44分発→岩村田 19時49分着、19時50分発→佐久平 19時53分着、19時54分発→小諸 20時14分着
小淵沢駅で、新宿 15時ちょうど発、八王子 15時30分発の特急あずさ21号から接続
新宿 14時ちょうど、八王子 14時29分発のスーパーあずさ19号(E351系による運転)で甲府まで行き、甲府駅で、普通列車(211系による高尾 14時02分、甲府 15時43分発の松本経由長野行き)に乗り継げば、40分早く小淵沢駅に到着するので、後述の星空上映会に参加するにはお薦めであります。
佐久平駅で、 20時ちょうど発→大宮 20時50分、東京 21時16分着の北陸新幹線はくたか574号または、20時56分発→大宮 21時46分、東京 22時12分着のはくたか576号(どちらもE7系による運転)に接続するので、日帰りでも、HIGH RAIL星空号の旅を楽しむことが出来ます。
夏と秋ダイヤのHIGH RAIL星空号は、佐久平 21時38分となり、佐久平 22時09分発→大宮 22時58分着、東京 23時24分着のはくたか578号(上りの最終はくたか号、E7系による運転)に接続していました。
冬ダイヤでの運転日は、12月3日から30日までと1月6日から2月25日の土休日と1月2日と3日であり、運転日及び時刻は予告なく変更される場合があります。
夏の繁忙期は、夏休み期間中に火曜日を除いた毎日運転され、夏ダイヤと秋ダイヤでは、毎週金曜日に運転されていました。
もちろん春にも運転される予定だけど、その時刻や運転日等の詳細は、1月下旬に発表される春の臨時列車のプレスリリースで明らかになります。
小海線(八ヶ岳高原線)の路線
小淵沢~甲斐小泉~甲斐大泉~清里~(JR最高地点)~野辺山~信濃川上~佐久広瀬~佐久海ノ口~海尻~松原湖~小海~馬流~高岩~八千穂~海瀬~羽黒下~青沼~臼田~龍岡城~太田部~中込~滑津~北中込~岩村田~佐久平~中佐都~美里~三岡~乙女~東小諸~小諸
小淵沢駅で、中央本線、佐久平駅で、北陸新幹線、小諸駅で、しなの鉄道線にそれぞれ接続しています。
小海線の佐久平駅は、1997(平成9)年10月1日の長野新幹線(当時)の長野までの開業と共に出来た駅であり、新幹線が地平(1階、2面2線)、小海線が高架(2階、1面1線)という珍しい構造となっており、新幹線の建設工事と共に、小海線部分が高架化されていました。
小海線の佐久平駅は、同じ北陸新幹線にある新高岡駅の城端線ホームと同様に、上下兼用の1面1線となっているので、小諸方向の場合は右側、小海、小淵沢方向の場合は左側から来る列車に乗らなければならないです。
長野新幹線→北陸新幹線の開業前に運転されていた特急あさま号の時代には、上野、大宮、高崎駅から小諸駅まで乗り換えなしで行けたけど、新幹線が出来てからは、佐久平駅で小海線に乗り換える必要があります。
小淵沢駅は、2面4線の駅で、今年7月3日には新駅舎が開業していました。
小海線乗り場は、北側にある4,5番線であり、そのうちの5番線は、中央本線の小淵沢始発の松本、長野方面の列車と兼用となっています。
小海線(八ヶ岳高原線)の車両は、1991(平成3)年から使われているキハ110系列の陸中型気動車と、元祖ハイブリッド気動車であるキハE200形(こうみ、どちらも中込駅構内にある小海線営業所(長コミ)所属)であり、一般列車用のキハ110系列は、キハ110系100番台の12両と、キハ111+112形の3編成6両が在籍しています。
元祖ハイブリッド気動車であるキハE200形は、2007(平成19)年7月31日にデビューしてから、今年で10年経っていました。
このようなハイブリッド気動車は、仙石東北ラインのHB-E210系や、リゾートビューふるさと、リゾートしらかみ、リゾートあすなろ用のリゾートDCであるHB-E300系にも受け継がれています。
HIGH RAIL 1375の種車は、1号車(小淵沢寄り)のキハ112-711号車がキハ110-108号車(元小牛田運輸区)、2号車(小諸寄り)のキハ103-711号車がキハ100-29号車(元盛岡車両センター)であり、後者が全長の短いキハ100系である為に、前後で長さが揃わない車両となってしまいました。
キハ110-108号車は、1991年に小海線営業所に新製配置され、2013(平成25)年に小牛田運輸区に渡っていたけど、今回のHIGH RAIL 1375化により、小海線営業所に里帰りしてきたことになったのであります。
定員は、1号車 29名、2号車 21名の計50名(全席指定)であり、指定券(大人 820円、小児410円)が必要であります。
1号車は、BOXシート、ペアシート(2人掛けで窓に向けられた座席)、シングルシート(1人掛けで同じく窓に向けられている)、物販カウンター
2号車は、リクライニングシート(2人掛けまたは1人掛け)、ギャラリーHIGH RAIL(星空上映会あり)、車椅子対応の幅広洋式トイレ(誰でもトイレ)から成っているけど、今回のイベントで中に入ることが出来ました。
HIGH RAIL 星空号では、野辺山駅での星空観察会(星空案内人による解説あり)とは別に、小淵沢→野辺山間て、2号車のギャラリーで、星空上映会が行われるけど、それに参加するには、乗車時に配分される整理券が必要となります。
星空上映会は、天候により室内での案内や中止されることもあります。
このように、尾久車両センターで、HIGH RAIL 1375を良い感じで撮影することが出来て良かったです。