こちらは、今月20日に撮影した、くずはモールの中にある京阪旧3000系3505号車の車内の様子です。
登場当時の座席のモケットや、京都方のテレビ、ツーハンドル方式の運転台が再現されているので、クラシックスタイルの外観と同様に、70年代にタイムスリップしたような感じがしました。
テレビは薄型で、現役当時と同様にNHKを中心に放映されています。
現役時代の末期は地上デジタル放送に移行されていたので、地下線区間では、アナログ放送のままとなっていました。2011(H23)年7月にアナログ放送が廃止されてからは、地下区間で全く映らなくなってしまったし。
1993(H5)年8月12日に、三条から七条まで、京阪8000系(当時は全て平屋建ての7両編成だった)に初めて乗った時にテレビカーで高校野球が放送されていたことを覚えています。
昨年3月31日の旧3000系のラストランと共にテレビカーが全廃となっていたので、テレビカーの終焉の時でもありました。
この3505号車は、1972(S47)年7月に導入された車両で、初代くずはモール街がオープンした年でもあります。
ある時間毎に、淀屋橋から樟葉までの前面展望画像が映し出され、係員によるデモンストレーション運転が行われていたので、臨場感のあるデジタル動態保存とも言えます。
5月上旬からは、運転体験や車掌体験(どちらも有料)が行われる予定となっています。
車内の見学は無料なので、あの時の雰囲気を味わうことも出来るけど、混雑時には車内見学が中止になる場合があります。
京阪の旧3000系こと8000系30番台は、昨年の3月31日にラストランを迎えてからもうすぐ1年経つけど、その最終日である3月31日は、日曜日と重なって混乱状態でした。
あの後、京都寄り先頭車の8531(3505)号車と、富山地方鉄道に譲渡された2階建て車両(ダブルデッカー改造車)の8831(3855)号車を残して全て解体されていたけど、京阪の名車である旧3000系を保存してほしいという要望が高まっていた為に、くずはモールのリニューアルを期に、3505号車が完全なデビュー当時の姿に再現された上で、保存されるようになったのであります。その展示スペースであるSANZEN-HIROBAは、くずはモールの南館(ヒカリノモール)の1階にあるので、屋内展示により、車両が野ざらしにされる心配はないです。
保存車両に8531(3505)号車が選ばれたのは、デビュー当時テレビ付きのテレビカーであったことの縁もあります。これによりテレビカーのロゴやアンテナも忠実に再現されていたし。
運転台は、1995(H7)年のリニューアル化後に8000系と同じワンハンドルマスコンに交換されていたけど、復元によりデビュー当時のツーハンドルマスコンに戻されていました。こちらは、寝屋川工場で保管されていたものであるし。
70年代の京阪電車は、600Vで、京都エリア(七条~三条間)で鴨川のほとりを走っていました。
1987(S62)年5月24日に七条~三条間が地下化された時は、別れを惜しむ人たちで賑わっていました。
その直前の京阪特急は、旧3000系が当たり前だったので、1989(H元)年10月5日の出町柳への延長(鴨東線の開業)と共にデビューした8000系とは異なり、京都の地上区間の面影の残る特急用車両としても有名でした。
SANZEN-HIROBAでは、入場無料だけでなく、3000系の車内にも入ることが出来るのが嬉しいと思います。
その甲斐あって、昨年2月11日に、地下の淀屋橋駅で別れて以来、地上で再会することが出来て良かったと思っています。
テレビの画像では、著作権保護の為にモザイクを入れました。