今月(11月)18日は、上野松坂屋前(上野御徒町)から早稲田まで、都営バス早稲田自動車営業所所属のT-S665(練馬200か21-13)号車、日産ディーゼルスペースランナーRA(PKG-RA274KAN)による上58系統に乗りました。
この車両は、一昨年(2012(平成24)年)春からtobus.jp(パソコン、スマートフォン、携帯電話用の都営バス運行情報サービス)の都電荒川線との共通化によって施されたラッピングで、オレンジ色の都電8809号車と同じ塗装にみんくる(都営バスのマスコットキャラクター)ととあらん(都電のマスコットキャラクター)が描かれています。
この車両は、2008(平成20)年に、S-S665(足立200か18-70)号車として深川自動車営業所に配置され、翌年の2009(平成21)年には深川自動車営業所への日野ハイブリッドバス(ブルーリボンシティハイブリッド)の大量導入により、S666,S667号車と共に早稲田自動車営業所に転属し、現在のナンバーとなっています。
北自動車営業所のN-S659(練馬200か20-13)号車も、みんくる&とあらんのラッピングバスとなっているけど、ローズピンク色の都電8801~8805号車と同じ塗装となっているし。
このS665号車は、一昨年6月10日の路面電車の日イベントで、8809号車とのコラボレーションで展示される予定となっていたけど、諸事情により中止となってしまったのが残念でした。
同年9月22日の晴海埠頭でのバスイベントでこのS665号車が展示されていたけど、関西に行っていた為に行かれなかったことで残念に思っています。
2008(平成20)年9月20日(バスの日当日)に晴海埠頭で行われたバスイベントの帰りに、晴海埠頭から東京駅丸の内南口まで、深川自動車営業所に所属していた頃のS665号車(都05系統、グリーンアローズ)に乗ったことを思い出しました。当時はラッピングされていない状態だったし。
当時は深川所属時代のS666号車(当時は足立200か18-71号車だった)もバスイベントで展示されていたけど、現在は早稲田自動車営業所所属の練馬200か21-15号車となっています。
今回あの時以来の乗車となったとは思っていませんでした。
都営バスのS代車(2008(平成20)年度導入車)は、上期が日産ディーゼル(現、UDトラックス)のスペースランナーRA、下期が日野ブルーリボンシティハイブリッドと日野レインボー2(青梅支所に配置され、現在は品川自動車営業所の市01系統専用車となっている)が導入されていたけど、日産ディーゼル車に関しては、かつて指定営業所だった北、江東の両営業所と練馬支所を含めて最後の導入となっていました。
このタイプは、日産ディーゼル工業からUDトラックスに社名変更された2010(平成22)年まで製造されていたけど、車体メーカーの西日本車体工業(西工)が解散した為に製造が打ち切られ、三菱ふそうエアロスターのOEM供給車であるスペースランナーAに移行されていたし。
翌年の2011(平成23)年4月には、三菱ふそうとの提携打ち切りにより販売が終了し、UDトラックスが国内のバス事業から撤退していました。
かつて日産自動車の系列だった日産ディーゼル工業→UDトラックスは、スウェーデンのボルボ社の系列であり、今年3月19日にはボルボグループの手によりインドでバス事業に再参入するという発表がありました。
東武博物館にある日産180型キャブオーバーバスは、NISSANのロゴがあるので、日産ディーゼル(UDブランド)のバスのルーツともなっていました。
現在日産自動車には、シビリアンというマイクロバスがあるけど、いすゞ自動車にジャーニーとしてOEM供給されているし。
こちらはトヨタ自動車のマイクロバスであるコースターと、子会社の日野自動車のリエッセ2の関係に準じています。
トヨタコースターと言えば、かつて都営バスで官庁街めぐりのミニバス(東01系統)として使われていたこともありました。
ここで乗車レポート。上野松坂屋前からバスに乗り込み、中央通りを北上し、
上野公園前交差点を左折し、上野公園へ。
その後池之端一丁目交差点を右折し、池之端一丁目バス停へ。
上野松坂屋行きの場合は、池之端一丁目を出た後、地下鉄千代田線の湯島駅方面へと向かい、天神下交差点(春日通りとの交差部分)を直進し、その後左折してから黒門小学校前の道路を通って、中央通りに入ったところで左折してから上野松坂屋前バス停に到着するので、上58系統独自のルートとなっています。
上野松坂屋は、日本橋三越と同様に、江戸時代から同じ場所で営業が行われている老舗百貨店であるけど、現在南館が改築工事中であります。
池之端一丁目からは護国寺正門前まで不忍通りを通るけど、池之端一丁目付近に都電荒川線で活躍していた7506号車が静態保存されている池之端児童遊園、本駒込四丁目バス停付近に、都電6063号車と乙2号車が静態保存されている神明町車庫跡公園があるので、かつて都電が走っていたことを物語っています。
上野公園~根津駅間は、上58系統のほか、今年9月7日に乗車した池袋駅東口、大塚駅前~上野公園間の上60系統、亀戸駅~上野公園間の上26系統が出ており、根津駅で分かれていくことになります。
その先にある根津神社は、春にはツツジの名所として賑わっています。
団子坂下から道灌山下までは、草63系統と同じルートを通るので、9月7日に都電色のバス(P-M190、練馬200か12-61号車)に乗った時を思い出しました。
上58系統は、1971(昭和46)年3月17日に廃止された都電20系統(江戸川橋~神田須田町間)の流れを受け継ぐ路線であり、転換当時は戸山支所所属の520系統として、早稲田~須田町間を結んでいました。
現在の早稲田自動車営業所が、戸山支所の移転、昇格により開設されたのは、1971(昭和46)年12月1日のことで、都電の早稲田電車営業所から転用されていたし。
都電20系統は、神明町車庫前と銀座七丁目を結んでいた都電40系統(1967(昭和42)年12月9日に一足先に廃止されていた路線)と共に、神明町車庫所属の路線であり、どちらも池之端七軒町~上野公園間で専用軌道を通っていました。
上58系統の須田町乗り入れが廃止されたのは、1976(昭和51)年のことで、早稲田~駒込駅間の支線も廃止されていました。
1997(平成9)年7月から2003(平成15)年1月まで、上69系統と共に、区画整理により平日の日中に上野駅に乗り入れていたこともありました。
その途中にある文京グリーンコートは、科研製薬の工場の跡地に建設された複合施設であり、科研製薬の本社もここにあります。
護国寺正門で左折し、音羽通りを通って江戸川橋方面へ。
現在不忍通りは、目白通りとの分岐点(目白台二丁目交差点)までしか行かれないけど、都電荒川線の面影橋電停(甘泉園公園)付近まで延長される工事が行われています。
これが完成すれば、西早稲田交差点まで行かれるようになります。
江戸川橋は、神田川に掛かる橋の名であり、地下鉄有楽町線の駅名でもあるけど、練馬車庫(一部練馬駅前)と新宿駅西口を高頻度で結んでいる白61系統も出てきます。
江戸川橋からは上69、飯64系統と合流し、新目白通りを通って早稲田へ。早稲田電停は、早稲田自動車営業所の最寄りだけでなく、リーガロイヤルホテルの最寄りバス停でもあります。
早稲田バス停に到着した後、一旦入庫し、暫くした後に再び上野松坂屋前へと向かっていました。
このバスは、池86系統の学習院下バス停付近、早77系統の早稲田→甘泉園公園間で都電の横を通るけど、回送で早稲田~高戸橋交差点間の都電の線路沿いを通るシーンも見られています。
tobus.jpでは、このようなラッピングバスやリバイバルカラーの検索も可能となっているので、そのお陰で乗ることや撮影することが出来て良かったです。
画像は上野松坂屋前と早稲田車庫(敷地外)で撮影したものです。