今年12月4日に、東武鉄道の南栗橋車両管区(南栗橋工場、ミクリ)で行われた、東武ファンフェスタ2016で展示されていた車両の紹介の第5弾で、東武日光線の特急きりふり、ゆのさと、しもつけ号用の350系(300系350番台、新栃木出張所所属)の353Fで、急行ゆのさと号の表示で展示されていました。
300系と350系は、1991(平成3)年7月21日の東武日光線の急行列車の新設(6050系によって運転されていた快速急行だいや、おじかからの格上げ)に伴い、200系の導入によって捻出された1800系の1813,1816,1817,1818Fから改造された車両であり、350系は、野岩鉄道会津鬼怒川線、会津鉄道会津線、東武宇都宮線への乗り入れ対応により4両編成化されていました。
同年7月に吊り掛けモーター車の団臨用車両だった5700系(元特急用)が全廃となったのは、300系や350系の導入によるもので、1720系DRC(デラックスロマンスカー)の引退と重なっていたし。
353Fは、急行りょうもう号で活躍していた初代1813Fのうちの登場当時の4両(1969(昭和44)年、日本車輌製造東京支店製)から改造されたもので、351Fは1816Fのうちの登場当時の4両(1969年、ナニワ工機(当時)製)、352Fは1813Fと1816Fのうちの中間車2両ずつ(1979(昭和54)年の6両化に伴う増結用中間車、アルナ工機(現、アルナ車両)製)から改造されていました。
改造内容は、ヘッドライトの角形化、幕式の表示の新設、抑速、発電ブレーキの取り付け、塗装の変更等であり、1819Fと同様の顔付きとなっていました。
2005(平成17)年10月2日に行われていた第1回目の東武ファンフェスタで展示されていた352Fは、先頭車改造された車両で、窓の配置や台車が異なっているし。
300系や350系がデビューした当時は、急行きりふり号(浅草~東武日光間)、ゆのさと号(浅草~新藤原間)、南会津号(浅草~会津田島間)、しもつけ号(浅草~東武宇都宮間)があり、2005年2月28日には、南会津号が廃止されてゆのさと号に変更され、翌年の2006(平成18)年3月17日には、300系や350系使用列車の特急化と共にゆのさと号の定期運用が廃止され、不定期列車に格下げされていました。
しもつけ号は、350系により、浅草~東武宇都宮間で毎日運転されている列車であり、ゆのさと号の定期運用廃止後この1往復だけとなっています。
しもつけ号の時刻
下り 281号 浅草 18時30分発→東武宇都宮 20時22分着
上り 282号 東武宇都宮 8時ちょうど発→浅草 9時51分着
途中停車駅は、とうきょうスカイツリー、北千住、春日部、栃木、新栃木、壬生、おもちゃのまち、江曽島
300系によるきりふり285号は、平日のみ運転で、浅草駅を21時30分に発車し、途中、とうきょうスカイツリー、北千住、春日部、東武動物公園、杉戸高野台、幸手駅に停車してから南栗橋へと向かう列車であり、春日部より先は特急券不要のフリー乗車区間となります。
昨年は12月4,11,18,22日に、東武アーバンパークライン(野田線)の運河行きのきりふり267号が300系によって運転されていたけど、今年もそれが運転されています。
今年の運転日は、12月2,9,16,22日で、次回は16日となるし。
きりふり267号の時刻 浅草 22時10分発→春日部 22時52分着→運河 23時28分着
途中停車駅は、とうきょうスカイツリー、北千住、春日部と、春日部より先の東武アーバンパークラインの各駅(藤の牛島→運河間)で、春日部より先は特急券不要のフリー乗車区間となります。
きりふり号の愛称名の由来は、日光市にある霧降高原であり、臨時列車として東武日光まで運転されることもあります。
日光市は、2006年3月20日に、今市市と、旧、日光市、上都賀郡足尾町、塩谷郡藤原町、塩谷郡栗山村との新設合併によって拡大された市であり、鬼怒川温泉(旧、藤原町)も日光市の一部となっています。
野岩鉄道会津鬼怒川線では、福島県南会津郡南会津町にある会津高原尾瀬口駅を除いて栃木県日光市にあるけど、新藤原、龍王峡、川治温泉、川治湯元、中三依温泉、上三依塩原温泉口、男鹿高原の各駅が旧、藤原町に、湯西川温泉駅が、旧、栗山村に位置しています。
わたらせ渓谷鐵道線の原向、通洞、足尾、間藤の各駅も、日光市の一部(旧、足尾町)となっているし。
東武日光線の路線
(浅草、押上方面へ直通運転)←東武動物公園~杉戸高野台~幸手~南栗橋~栗橋~新古河~柳生~板倉東洋大前~藤岡~静和~新大平下~栃木~新栃木~合戦場~家中~東武金崎~楡木~樅山~新鹿沼~北鹿沼~板荷~下小代~明神~下今市~上今市~東武日光
東武日光線は、1929(昭和4)年4月1日に杉戸(現、東武動物公園)~新鹿沼間が開業したことから始まり、同年7月7日に下今市、10月1日に東武日光まで延長されていました。
杉戸~新鹿沼間が開業した日は、小田急江ノ島線(大野信号所(現、相模大野駅)~片瀬江ノ島間)と同じでありました。
静和駅は、開業当時東武和泉駅(現在の伊勢崎線の駅とは別)と呼ばれていたけど、同年7月1日に静和駅に改称され、東武和泉の駅名が、1935(昭和10)年9月20日に伊勢崎線に開業した2代目東武和泉駅(福居~足利市間、栃木県足利市)に譲られています。
杉戸(東武動物公園)~栗橋間は、1986(昭和61)年8月26日の杉戸高野台、南栗橋の両駅の開業までの間、幸手駅しかなく、幸手発着の列車も設定されていました。
南栗橋発着の列車は、幸手発着の列車の流れが組まれていることになります。
かつて幸手にはサッテリヤというハンバーガーショップがあったけど、80年代後半に閉店され、幸手折り返しの列車と共に過去のものとなっています。
東武動物公園を出た後、快速及び区間快速が最初に停車する板倉東洋大前駅は、草加~越谷間が複々線化された1997(平成9)年3月25日に開業した駅で、東武日光線の駅で唯一群馬県(邑楽郡板倉町)にあります。板倉東洋大前駅が出来る前は、群馬県をスルーしていました。
東武鬼怒川線の路線
(東武日光線、栃木、浅草方面へ直通運転)←下今市~大谷向~大桑~新高徳~小佐越~鬼怒川温泉~鬼怒川公園~新藤原→(野岩鉄道会津鬼怒川線、会津高原尾瀬口、会津田島方面へ直通運転)
東武鬼怒川線が開業したのは、1917(大正6)年1月2日の大谷向今市(現、大谷向)~中岩(現在は廃止)間のことで、前身の下野軌道による762mmの路線と、東武日光線と生い立ちが異なっていました。
1919(大正8)年には現在の路線となり、1929年10月22日に、1067mmに改軌され、東武日光線と結ばれるようになっていました。
1943(昭和18)年5月1日に下野電気鉄道(旧、下野軌道)が東武鉄道に買収されて東武鬼怒川線となり、1948(昭和23)年8月6日に週末に浅草~鬼怒川温泉間の直通特急が運転されるようになっています。
新藤原駅は、野岩鉄道管理による2面3線の駅で、6050系による分割・併合が行われ、新藤原~会津高原尾瀬口、会津田島間で2両編成となります。
新藤原駅は、PASMOエリアの北限であり、会津鬼怒川線でPASMOやSuicaが使えないことが分かるし。
浅草~下今市間で東武日光発着の2両編成と連結されて6両編成となる為に、分割・併合作業が下今市駅と新藤原駅の2ヶ所で行われていることで、かつての常磐線で見られていたようなロケット方式の運転となっています。
鬼怒川温泉駅は、2面4線の駅で、鬼怒川温泉への最寄り駅でもあり、駅前に足湯があります。
鬼怒川温泉にも日帰りで入浴出来るホテルがあるけど、鬼怒川公園駅付近には気軽に入れる鬼怒川公園岩風呂もあるし。
東武ワールドスクウェアへは、小佐越駅から徒歩または鬼怒川温泉駅からバスで行くことになるけど、来年夏のSL運転開始に合わせ、小佐越~鬼怒川温泉間のメインゲートからすぐの場所に東武ワールドスクウェア駅が出来る予定となっています。
SLは下今市~鬼怒川温泉間で運転される予定であり、三次駅(広島県三次市)にある転車台が鬼怒川温泉駅に移設されることになるし。
来年春に500系新型特急(リバティ)が導入される予定で、東武ファンフェスタのある日に501~503Fが甲種輸送されていました。
500系リバティの導入により、改造されてから25年経っている300系や350系が置き換えられる確率が高いと言われています。
この時に、350系によるゆのさと号を撮影することが出来て良かったです。