8月13日は、西武新宿から本川越まで、西武鉄道の10000系ニューレッドアローの10104F(プラチナ・エクスプレス)による特急小江戸35号に乗りました。
小江戸35号は、西武新宿駅を19時30分に発車した後、高田馬場、東村山、所沢、狭山市に停車してから本川越へと向かう列車であり、先発の19時22分発の急行本川越行きよりも先に所沢、狭山市、本川越に到着することになります。
プラチナ・エクスプレスは、秩父夜祭り(12月3日開催)と川越まつり(10月中旬で今年は10月14,15日開催)がユネスコ無形文化遺産に認定された記念により施されたラッピング列車であり、秩父バージョンの10103F(池袋線のちちぶ、むさし号)が昨年12月25日に、川越バージョンの10104F(新宿線の小江戸号)が今年1月25日に営業運転入りしていました。
前面には、共通のPlatinum Expressの表示があり、側面には山車のラッピングが施されています。
プラチナ・エクスプレスのプラチナの由来は、川越から秩父・長瀞へと至る埼玉プラチナルートであるし。
10104Fは、1994(平成6)年10月に、5000系初代レッドアローの第一次置き換え用として日立製作所で製造され、池袋線に配置されていました。
この時に導入された編成は、前述の10103F、10104F、10105Fであり、どちらも101系の足回り品が流用されています。
初期の段階で営業運転から離脱された5000系は、5501,5509,5511Fであり、トップナンバーだった5501Fは、翌年の1995(平成7)年に運用離脱された5507Fと共に6両のうちの3両が16010形として富山地方鉄道(富山県)に譲渡されていました。
10000系の配置状況は、池袋線系統(小手指車両基地所属)が10102,10103,10105,10107,10109,10110,10111Fの7編成、新宿線系統(南入曽車両基地所属)が10101,10104,10106,10108,10112Fの5編成であり、池袋線所属の本数が5000系時代の6本と比べて1本増加しています。
当初は10101,10102,10109,10110,10111,10112Fが新宿線、10103,10104,10105,10106,10107,10108Fが池袋線所属であり、新宿線でデビューした10101Fは、一時期池袋線に配置されていたこともありました。
特急小江戸号は、1993(平成5)年12月6日にデビューした特急列車であり、当時は南入曽ベースの10101Fと10102Fの2編成配置となっていました。
1993年12月5日までの日曜・祝日には、5000系によるおくちちぶ号(西武新宿~西武秩父間)とむさし号(所沢→西武新宿間、西武新宿→本川越間)で運転されていたけど、これらの列車は小江戸号の前身と言えます。
当時は西武新宿駅で2番線ではなく、1番線発着となっていました。
休日に5000系レッドアローが新宿線に乗り入れていた時は非常に目立っていたし。
こちらは4000系改による52席の至福が新宿線に乗り入れる日でも言えることであります。
5000系の西武新宿乗り入れは、定期運用撤退後(完全引退前)の1995年11月に5503Fによる団臨(小さな旅号)で復活していたし。
小江戸号が登場した1993年12月6日には、池袋線の特急の入間市駅停車が開始され、当時入間市駅を通過していたちちぶ号の一部がおくちちぶ号に改称されていました。
2003(平成15)年3月12日には、池袋線の定期特急列車の全列車入間市停車化によりおくちちぶ号が廃止されてちちぶ号に統合されていたし。
1997(平成9)年3月12日には、10109,10110,10111Fの導入により特急小江戸号が増発され、池袋線並みに頻繁に運転されるようになっています。
池袋線の特急が大増発されたのは、1976(昭和51)年3月7日のことであり、所沢または飯能発着のむさし号や前述の新宿線のレッドアローが登場していたし。
2003年3月12日には特急レッドアロー号の増発によりVVVF仕様の最終増備車である10112Fが新宿線に導入されて現在に至っています。
当時西武秩父線への回生ブレーキ付き車両(VVVF車)の乗り入れが認められていなかったことから新宿線専用とされ、新宿線所属の抵抗制御車の1本が池袋線系統に回されたことで池袋線特急の運用本数増加に応えられていたのであります。
2007(平成19)年12月2日の西武秩父線の回生ブレーキ付き車両の乗り入れ解禁となった後も新宿線所属のままとなっているけど、2011(平成23)年には実際に池袋線系統で走っていたこともありました。
今回は、西武新宿寄りの最後部である1号車の4Dに当たっていたので、モーター音が聴こえなかったです。
10000系は1,4,7号車がモーターなしのTc車またはT車であり、喫煙車があった頃、4号車が唯一の喫煙可能な車両となっていました。
10000系のシートピッチは、1070mmと、5000系の930mmよりも拡大されているので、それに伴う定員の減少を防ぐ為に6両編成から7両編成となったのであります。
これにより、10000系の定員が406席と、5000系の400席に対して6席の増加となっているし。
このようなことは、秋田新幹線こまち号でE3系からE6系に置き換えられた時に、ロングノーズ化による定員減少を防ぐ為に6両から7両となったことでも言えます。
特急小江戸号が東村山駅にも停車するようになったのは、2013(平成25)年3月16日のことであり、それ以前にも臨時停車していたこともありました。
西武新宿駅は歌舞伎町界隈にある2面3線の高架駅であり、基本的に1番線は各停、2番線は特急小江戸号、3番線は準急または急行で使われています。
1番線も10両編成対応となっているので、ダイヤが乱れた時のやりくりがしやすくなっているし。
同じ各停メインで使われている池袋線の池袋駅1,2番線も10両対応に改良されています。
池袋駅の特急専用ホーム(7番線の奥)は、10000系の導入により7両分に延長されていたけど、2019年春に導入予定の新型特急で8両編成となるのでどうなるのか気になります。
高田馬場駅は、特急の停車位置が西武新宿寄りにずれた為に、その分ホームが延長されているし。
西武の有料特急が登場したのは、1969(昭和44)年10月14日(奇しくも鉄道の日でもある)の西武秩父線の開業の時であり、専用車両だった5000系初代レッドアロー(当時は4両編成だった)がデビューしたことでも話題になっていました。
5000系初代レッドアローは西武初の回転クロスシート車でトイレ付きの車両であり、斬新なスタイル等が評価されて1970(昭和45)年度のブルーリボン賞が受賞されていたし。
西武のトイレ付き車両は、4000系、10000系、40000系(S-TRAIN)にも受け継がれているけど、40000系に関しては、トイレ付きだけでなく、リクライニング機構なしの回転クロスシート付きであることから、1969年のデビュー当初の5000系初代レッドアローと同様となっています。
5000系の座席は、1974(昭和49)年の6両化の時に簡易リクライニングシート付きに変更されていたし。
10000系のトイレは、1号車(飯能、西武新宿寄り)と7号車(池袋、西武秩父、本川越寄り)にあり、1号車は車椅子対応の洋式トイレ(誰でもトイレ)、男性用小トイレ、洗面所、7号車は和式トイレ、男性用小トイレ、洗面所から成っています。
飲みもの(清涼飲料水)の自動販売機は、1号車と7号車にあるので、西武10000系に似ている東武鉄道の200系りょうもうとの共通点もあります。
1号車には車椅子対応座席があり、トイレ横にも出入口が設けられているし。
5000系のドアは、小田急ロマンスカーの7000形と同様の折り戸式で、2ヶ所ありました。
5000系のアナウンスでドアは内側に折れながら開きますので…と言われていたのはその為であったし。
5000系レッドアローでは、1993年までワゴンサービスによる車内販売が行われていたこともありました。
現在大手私鉄で車内販売が行われているのは、小田急ロマンスカー、東武100系スペーシア、しまかぜ号などの近鉄特急であり、いずれも系列会社による一部列車のみ営業のワゴンサービスとなっています。
特急小江戸号が登場したのは、新宿線のレッドアローを毎日運転してくれませんか?本数を増やしてほしいなどの要望が高まっていたことのほか、新宿から川越までの快適なアクセスを提供するという目的もあります。
新宿線にも通勤に便利な特急が求められていたし。
このように、西武新宿から本川越までプラチナ・エクスプレスによる特急小江戸号に乗ることが出来て良かったです。
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西武10104F(プラチナ・エクスプレス)による小江戸35号
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